査読とは?役割や重要性を解説
2024.01.13
2024.07.31
「査読」という言葉を知っていますか?この記事では、「査読」の役割や重要性について解説していきます。
査読とは
「査読」とは、同じ分野の専門家が、その論文が学術雑誌に掲載されることがふさわしいかどうかを判断し、編集者に伝えることです。
専門家は論文を、研究の「関連性」「新規性」「有用性」といった観点から判断します。
論文の最終的な採否は編集者に委ねられますが、知識の豊富な編集者とはいえ、すべての研究内容を専門的に判断することは不可能です。
そのため、より深い専門知識を有する専門家に査読を依頼するのです。
査読の役割
では、査読の役割には、どのようなものがあるのでしょうか。
論文の信頼性を高め、質を上げる
査読が行われる大きな理由の1つは、その論文が科学的に適切な論考を行っているかどうかを客観的に判断するためです。
そのため、査読を受けていない論文よりも査読を受けた論文の方が広く信頼されるでしょう。
また、著者が気づけなかった曖昧さや欠陥、不正確さについて、査読者のコメントを見ながら修正することで、論文の質を上げることができます。
その分野の研究水準を高める
査読を行う人も、論文の著者と同じく研究者です。
査読者が論文のチェックを行うことで、新たな知見や刺激を得ることもできるでしょう。
それにより、学会全体や分野全体の議論を活性化させたり、研究水準を高める効果が期待されます。
査読に際する評価ポイント
ここからは査読の評価ポイントとして3つを解説します。
関連性
いかに内容が素晴らしくても、対象とする範囲とかけ離れているような論文は、採択されない場合があります。
論文のテーマが学会の扱う分野に適しているか、関連性があるかどうか、確認する必要があります。
新規性
研究内容に新規性がないことも、採択されない理由の一つとなります。
従来の研究と類似していると、新規性があるとは認められません。
既知の知見に新たなものを付け加えているかが重要になります。
有用性
「その論文が学術や産業の発展に役立つかどうか」ということです。
特例の条件でしか再現が取れないなど、有用性が認められないと論文として採択されません。
査読の方式
査読は原則として、著者も査読者も匿名で行われますが、著者が匿名になるかどうかによって2通りの方式があります。
シングルブラインド
シングルブラインドによる査読とは、査読者が著者を知った状態で行われる方式の査読のことです。
匿名でないことによりバイアスが働き、若手研究者より知名度の高い研究者の論文の方が通りやすい、女性研究者より男性研究者の方が通りやすいといったことが起こり得ます。
ダブルブラインド
ダブルブラインドによる査読とは、著者・査読者ともに匿名で行われる方式の査読のことです。
著者が誰かによって評価が左右されないため、より公平に査読を行うことができます。
しかし匿名であっても、著者自身の論文の引用などから、著者ができてしまうということも少なくないようです。
まとめ
今回ご紹介したように、公平性などについての課題は残っていますが、査読は論文の正当性を証明するための重要な仕組みです。
ご紹介した内容が、みなさまの論文執筆のお役に立てば幸いです。
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