ChatGPTをはじめとするAIが学術研究に与える影響は?
2023.04.24
2024.07.31
ChatGPTなどのAIがどんどん進歩してきており、学術研究の世界でも広がりを見せてきています。この記事では、AIが学術研究に与える影響について考察していきますのでぜひご覧ください。
拡大しているAIの利用方法
近年のAIは発達しており、そのスピードはどんどん速くなっています。今流行りのChatGPTは、急速な普及を見せており今後もどんどん発展していくでしょう。
そんなChatGPTをはじめとしたAIは、IT業界をはじめさまざまな産業で利用が拡大しています。AIが得意とする、ビッグデータと呼ばれる大量のデータの処理や自然言語の処理を利用して顧客サポートやより良い製品開発などにも利用されています。
AIはニューラルネットワークと呼ばれている人間の脳神経細胞をモデルとした情報処理のシステムを基本としており、近年のAIはこのニューラルネットワークによる機械学習の機能が大幅に発達してきました。
AIが自ら学習し、知識を蓄積していくことにより現実世界でも囲碁や将棋で人間に勝ってしまうようなことも起きています。
科学者の中には、AIがイノベーションを起こしたり新たな発見をしたり、科学の発展に貢献するだろうと考える人もいます。なぜなら、人間にとってはかなり複雑で脳が処理しきれないことでもAIなら容易に処理ができたり、データや傾向から瞬時に真意を読み解くことができるためです。
AIが与える学術出版への影響
AIの発展は、学術出版へも影響を与えています。英語に限った話でもかなり多くの学術論文が掲載されて世の中へと出ていっていますが、この学術論文を雑誌に掲載するためAIが利用されています。
AIは、不正データや論文の盗用などを検出することが容易にでき、出版するのに問題ない論文かどうかを判断するのにも役立つでしょう。
また、AIは学術論文の膨大な内容を一瞬で判断し理解することができます。例を挙げると、がん治療の標的とされている特定のp53タンパク質に関する論文だけでも約7万本以上が発表されておりとてもじゃありませんが、研究者がひとりで目を通すには無理な量の情報があります。
しかし、AIを利用すればあっという間に研究者が必要としている情報が載っている部分の論文を探し出してきてくれるでしょう。
実際にIrisというAIは、研究者の代わりに論文に目を通してくれ内容を判断し、結果までも研究者に提示することができます。
他にもAIを搭載している研究者向けの検索エンジンであるSemantic Scholarは、論文を読んだ上で分析を行い、影響力の大きそうな論文を検出して評価することも可能です。
このように、AIは研究者が行う学術研究や論文作成などの学術出版を効率化してくれます。
AIを学術研究に使うメリット
AIを学術研究に使うことで研究におけるトレンドの把握と分野における重要な要素の明確化をAIに行わせることができます。
また、報告内容の不正や不正と思われる統計データなども検出することができるため学術論文作成などにかなり役立つことでしょう。
また、査読者の選定やデータの盗用、改ざん防止、研究助成先や共同研究者の発掘など学術研究に対する補助的な役割を多く果たしてくれるため学術研究に費やす労力を大幅に削減してくれます。
研究成果の発掘
人間は過去の偉人たちの学術研究おかげでさまざまな発見をしてきました。ノーベル賞はその最たる発見の形のひとつと言えるでしょう。
今後はこのノーベル賞級の研究成果をAIが発掘できるのかが注目されます。機械学習は過去の論文をAIが学習して理解する方法です。ノーベル賞の研究であったとしても過去の研究者から弾かれてきてようやく認められたものも少なくありません。つまり、現在の研究者の尺度を学んでも将来ノーベル賞級の発見をする可能性は難しいです。
今後現在評価されていない研究をAIがしっかりと判断し、発掘してこれるかがAIを利用した有効な学術研究のひとつの課題となるでしょう。
AIを学術研究につかう懸念
AIを学術研究に使うのは大きなメリットが沢山あります。しかし、一方でホーキング博士やイーロンマスク氏、ビルゲイツ氏などITに精通する著名人が懸念を示しているのもまた事実です。
イーロン・マスク氏は「人工知能は核兵器よりも潜在的な危険をはらむため、我々は細心の注意を払う必要がある」と発言するなどAIの開発や使用に注意喚起をしています。
また、AIは人々の仕事を奪ったりその他さまざまな懸念を示されています。
しかし、同時にAIは働く時間の減少や機械学習による社会の活性化も実現できる可能性が高いです。
学術界にも掲載論文の質の向上や、研究者の負担軽減、人間では考え付かなかったような新たな発見など多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。
まとめ
正しくAIを使い、研究に利用することで人類は新たなステージへと向かうと考えられます。危険性だけに注目するのではなく、うまく利用し研究に役立てていきましょう。