オンライン学会とは何か? 開催の流れや注意点を徹底解説!
2025.06.05
2025.06.06

研究成果の発表や専門家同士の意見交換の場として欠かせない学会。
近年では、その形が大きく変化しています。
コロナ禍をきっかけに、急速に普及したオンライン化の流れは、学会のあり方にも大きな変化をもたらしました。
「オンライン学会」という形式は、物理的な移動や会場の制約を超え、より柔軟で多様な参加スタイルを可能にしています。
さらに、録画によるオンデマンド配信やハイブリッド開催といった新しい形式も登場し、研究発表や交流のあり方にも大きな広がりが生まれています。
本記事では、オンライン学会の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、開催時のポイント、運営上の注意点、そしてスムーズな開催を実現するための支援サービスまで、網羅的に徹底解説します。
オンラインでの学会開催を検討している方、運営に携わる方は、ぜひ参考にしてください。
オンライン学会とは
オンライン学会とは、ZoomやRemoなどのビデオ会議ツールを利用して開催される学術大会や研究会、講演会のことを指します。
新型コロナウイルスの影響により、2020年以降、多くの学会がオンライン形式を採用するようになりました。
これにより、場所や時間の制約を受けずに参加できるようになり、学術交流の新たな形として注目されています。
オンライン学会とハイブリッド学会の違い
オンライン学会は、すべての参加者がインターネットを通じて参加する形式です。
一方、ハイブリッド学会は、現地での対面参加とオンライン参加の両方を組み合わせた形式です。
ハイブリッド形式では、現地参加者とオンライン参加者が同時にセッションに参加できるため、より多くの人々に参加の機会を提供できます。
また、会場のキャパシティに制限されず、遠方からの参加も容易になるという利点があります。
学会のオンデマンド配信とは
オンデマンド配信とは、事前に録画した学会のセッションや講演を、参加者が自分の都合の良い時間に視聴できるようにする配信方法です。
これにより、リアルタイムでの参加が難しい人でも、後から内容を確認することが可能になります。
また、視聴期間中は何度でも再生できるため、理解を深めるための繰り返し視聴も可能です。
オンライン学会開催のメリット・デメリット
オンライン学会開催のメリット
オンライン学会の最大のメリットは、場所や移動の制約がないことです。
参加者は自宅や職場から簡単にアクセスできるため、これまで時間や距離の都合で参加が難しかった人々にも学会参加の機会が広がりました。
また、会場費や運営人員の削減により、主催側のコスト負担も軽減される点も見逃せません。
さらに、オンライン形式は参加者の数に上限がないため、多くの研究者や学生に開かれた学会運営が可能になります。
講演の内容を録画してオンデマンド配信することで、参加者は自分の都合のよいタイミングで学会内容を視聴でき、理解を深める時間も確保しやすくなります。
このように、柔軟性と効率性の面でオンライン開催は非常に魅力的な選択肢です。

オンライン学会開催のデメリット
一方で、オンライン学会にはデメリットも存在します。
最も大きな課題は、対面による交流の欠如です。
学会では講演や発表だけでなく、休憩時間や懇親会での偶発的な出会いや意見交換も大きな価値の一部ですが、オンラインではこうした自然な交流が生まれにくくなります。
また、技術的な問題も無視できません。
配信中の通信トラブルや音声・映像の不具合は、参加者の体験に大きな影響を与えます。
自宅などのリラックスした環境で視聴することで、集中力が途切れやすくなるという心理的要因も課題です。
発表者にとっても、聴衆の反応がリアルタイムに見えづらいため、手応えを感じにくくなることがあります。
オンライン学会の開催方法
オンライン学会を開催するには、いくつかの基本的なステップを踏む必要があります。
まず最初に決めるべきは、使用するプラットフォームです。
Zoom、Teams、YouTube Live、Vimeoなど、開催の目的に合ったツールを選定します。
講演の双方向性や質疑応答の有無、参加者の規模などによって最適なサービスが異なるため、慎重な検討が求められます。
次に、学会プログラムの構成です。
演題発表や講演の時間割を決め、発表者とスケジュールの調整を行います。
事前に発表者との打ち合わせやリハーサルを行い、使用するスライドや資料のチェックを済ませておくことが成功の鍵です。
開催当日は、司会・技術スタッフ・質疑応答のファシリテーターなど、役割分担を明確にし、スムーズな進行を図ります。
トラブル発生時の対応フローをあらかじめ共有しておくことで、慌てずに対応できます。
会期終了後には、録画映像の整理とオンデマンド配信の準備を行い、参加者が再視聴できる環境を整えると、満足度の向上にもつながります。
オンライン学会開催の注意点
オンライン学会を円滑に開催するためには、いくつかの重要な注意点があります。
まず、安定した通信環境の確保は最優先事項です。
主催者・発表者ともに有線LANの使用やバックアップ機材の準備をしておくと安心です。
次に、著作権の管理も忘れてはなりません。
発表スライドや映像内で使用される画像や音声には、第三者の権利が含まれている可能性があります。
これらの使用にあたっては、事前に確認と許諾を取り、トラブルを防ぐ必要があります。
また、参加者への案内も非常に重要です。
視聴用URLや参加方法を事前に丁寧に周知し、不明点があれば事前に解消できるよう、FAQや事務局の問い合わせ先を用意しておくとよいでしょう。
さらに、個人情報の保護や不正アクセスへの対策も万全を期す必要があります。
ログイン認証やアクセス制限、録画データの取り扱いに関するガイドラインも整えておきましょう。

オンライン学会開催までのスケジュールと担当者の役割
オンライン学会を成功させるためには、事前のスケジューリングと役割分担が非常に重要です。
開催当日に向けて何を・いつまでに・誰が対応するべきかを明確にしておくことで、準備がスムーズに進み、トラブルを未然に防ぐことができます。
以下に、一般的なオンライン学会の開催スケジュールと、それぞれの時期に担当者が行うべきタスクを時系列でまとめます。
開催の3~6か月前:基本設計とシステム選定
この時期には、学会の開催形式(完全オンライン or ハイブリッド)、日時、参加規模、必要な機能(発表・質疑応答・配信方式など)を確定させます。
また、使用する配信プラットフォームや、外部サービス(支援業者、決済、会員管理など)の選定もこの段階で行います。
担当者がすべきことは以下のとおりです。
- 開催形式・予算・対象者を踏まえた企画立案
- システム要件の整理とベンダー選定
- 会場(ハイブリッド開催時)や技術サポート体制の検討
- 学会役員・関係者への説明と合意形成
開催の2~3か月前:告知・参加受付・演題募集
学会ウェブサイトやポスター・メールを通じて、広報活動をスタートします。
並行して、発表者からの演題登録や参加申込の受付も始めましょう。
担当者がすべきことは以下のとおりです。
- 学会告知用ページやフライヤーの作成
- 発表者向けの演題登録フォームの設計・公開
- 参加者用の事前登録フォームと決済機能の整備
- 登録受付状況の進捗確認と問い合わせ対応
開催の1か月前:配信リハーサルとコンテンツ準備
発表者や配信スタッフとともにリハーサルを実施し、機材や接続環境の最終確認を行います。
また、オンデマンド配信用の録画素材や資料の提出を受け取り、編集作業に入ります。
担当者がすべきことは以下のとおりです。
- セッションごとの進行台本(タイムテーブル)の作成
- 発表者・座長との打ち合わせおよび配信テスト
- 録画コンテンツの収集と編集作業の進行管理
- サポートスタッフへのマニュアル配布と役割説明
開催当日:運営とトラブル対応
ライブ配信・チャットモデレーション・Q&A対応・司会進行など、多くの業務がリアルタイムで発生します。
進行に合わせて適切に対応するため、事前にシナリオと体制を確立しておくことが重要です。
担当者がすべきことは以下のとおりです。
- 司会・技術・タイムキーパーのチーム体制で運営
- チャットのモデレートと質疑の取りまとめ
- 配信やZoomのトラブル時の即時対応
- 参加者の接続トラブルなど問い合わせ窓口の設置
開催後:オンデマンド配信とアンケート回収
学会終了後も、参加者からのフィードバックを集めたり、オンデマンド配信の準備をしたりと、重要なタスクが続きます。
これらの対応が次回以降の改善に直結します。
担当者がすべきことは以下のとおりです。
- アンケート実施と回収・分析
- 録画の整理・編集・配信プラットフォームへのアップロード
- 決済・登録情報の整理と報告
- 発表者への御礼連絡と成果報告書の作成
オンライン学会をスムーズに運営するには?
オンライン学会をスムーズに運営するためには、事前準備と専門的な知識・経験の活用が欠かせません。
特に近年は、オンラインイベントの運営を専門に手がける業者も増えており、こうした外部パートナーの力を借りることで、主催者側の負担を大きく軽減できます。
また、学会中の参加者とのコミュニケーションにも工夫が求められます。
Zoomのチャット機能やスライドに対するリアルタイムのコメント、質疑応答用のフォームなどを用意し、聴衆との双方向性を高める仕組みを取り入れると、参加者の満足度も上がります。
学会終了後には、アンケートを実施して参加者のフィードバックを収集することが重要です。
運営の良かった点や改善すべき点を明確にすることで、次回以降の開催に活かすことができます。
あらゆる面で「想定外」に備える柔軟性と、参加者の立場に立った視点を持つことが、成功するオンライン学会運営の鍵となります。
オンライン学会の開催に不安がある場合は?
オンライン学会の実施には、配信の安定性や会員管理、決済手続き、演題登録など、従来の対面開催とは異なる専門的な知識や対応力が求められます。
「準備に追われて本来の研究発表に集中できない」「人的リソースが限られている」「システム運用に自信がない」といった悩みを持つ学会主催者は少なくありません。
そうした声に応えるサービスの一つが、学会運営支援プラットフォーム「AWARD(アワード)」です。
AWARDは、演題登録・要旨集制作・来場受付・会費徴収・イベント決済・会員管理など、学会運営に必要な機能をワンパッケージで提供しており、特に中小規模の学術大会においては、必要な機能を柔軟に選択できる点が大きな強みです。
また、AWARDはオンライン開催だけでなく、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド開催」にも対応しています。
会場参加者と遠隔参加者の両方をスムーズに管理・対応できる設計になっており、どのような開催形態でも柔軟に対応できるのが魅力です。
さらに、専任のコンサルタントによるサポート体制も整っており、学会の規模や予算に応じた最適な提案を受けることが可能です。
シンプルな料金体系と即日利用が可能な導入のしやすさも、多くの学会関係者から支持されています。
オンラインやハイブリッドでの学会を「無理なく」「安全に」「効率よく」運営したいと考えている方は、こうした専門サービスの活用も視野に入れてみると、よりスムーズな開催が実現できるはずです。
研究の本質に集中できる環境づくりの一助として、こうしたサービスをうまく取り入れることも、これからの学会運営にとって重要な選択肢の一つです。
学術大会・国際会議開催システム「アワード」のご紹介
学会運営における課題を解決し、効率的かつ効果的な運営を実現するために、学術大会・国際会議開催システム「アワード」は以下のニーズにお応えします。
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1. 学会の効率化と人手不足の解消
学会運営では、事務局の業務量が膨大で、少人数で対応するのが難しい場合もあります。学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、煩雑な運営業務を自動化・効率化することで、人的リソースの負担を軽減します。たとえば、参加登録、プログラム作成、講演者管理などがワンストップで完結します。
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2. 学会運営のコスト削減
学会開催には、印刷物や郵送、事務局人件費など多くのコストが発生します。学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、クラウドベースでの運営によりこれらのコストを大幅に削減可能。さらに、事務局代行費用を削減しつつ、高品質なサービスを提供します。
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3. 決済機能でスムーズな収益管理
学会参加費や年会費のオンライン決済に対応。安全性の高い決済システムを導入しているため、事務局での入金確認の手間が省け、効率的な資金管理が可能です。これにより、参加者にも事務局にもストレスフリーな学会運営を実現します。
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4. 学会運営サポートで「大変」を「簡単」に
「学会運営が大変」と感じている学会事務局の方々に向け、運営全般を支援する学会運営サポートをご用意しています。例えば、会場手配、プログラム編成、スポンサー管理など、運営代行サービスもご紹介可能です。
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5. 柔軟な管理システムで多様なニーズに対応
学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、学会の規模や形式に応じて柔軟にカスタマイズ可能。オンライン学会、ハイブリッド開催にも対応しており、参加者がどこにいても円滑な学会開催をサポートします。
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6. 費用対効果の高い学会開催を実現
学会開催費用を抑えつつ、質の高い学会運営を目指す方に最適なソリューションです。クラウド型システムの導入で初期費用を抑え、必要に応じて追加オプションを選択することが可能です。
学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、学会の運営をトータルでサポートし、効率化・コスト削減を実現する強力なパートナーです。学会運営の課題を抱える事務局や運営会社の皆さま、ぜひ一度ご相談ください!