学会参加は出張になる?日当手当の扱いは?
2024.06.09
2024.12.17
学術研究者や医療関係者は、学会に参加する機会も多いです。
この記事では、そんな学会参加が出張になるのか、出張になる場合日当手当の扱いはどうなるのかを解説していきます。
出張とは
出張とは、通常の勤務先から離れた場所へ赴き、業務を行うことです。
たとえば、東京にある会社に勤務する従業員が、大阪の取引先を訪問する場合などが該当します。
出張に関連する言葉として「外勤」や「外回り」がありますが、これらの用語には法的な定義はなく、一般的に外勤や外回りは近距離での業務を指すことが多いです。
一方、出張は比較的遠方へ赴く場合に使用されることが多く、新幹線を利用するような距離が該当することが一般的となっています。
また、出張には出張手当が出ることが多いですが、外勤や外回りには手当が出ることは少なく、外勤手当などで区別されることが多いです。
団体ごとに手当の支給基準や額は異なりますが、出張手当は出張者の負担を軽減する意味合いがあるでしょう。
また出張には日帰りと宿泊を伴う場合があります。
これについても法的な定義はなく、団体ごとに基準が設けられています。
たとえば、片道120分以下、直線距離100km以内であれば日帰り出張とする団体もあります。
以上から、学術研究者や医療関係者の学会参加も出張とみなされる場合があると言えるでしょう。
日当とは
日当とは、出張手当や旅費手当のように1日単位で支給される手当のことです。
これは労働の対価として支払われる賃金とは異なり、基本給以外に支払われるお金の一種です。
日当の主な目的は、出張先で出張者が立て替えた経費や生活費、雑費などの負担を補填することにあります。
これにより、出張時の経済的負担を軽減し、安心して学会活動に取り組める環境を提供します。
ちなみに交通費や出張費は日当とは違い、原則として実費精算が行われ、出張先への往復交通費や宿泊費は領収書などで確認し、経費として支給されます。
一方、日当は定められた金額を手当として支給し、出張先で生じた実費を後日精算する必要がありません。
これにより、経費精算の手間が省け、業務効率化にもつながります。
また、日当の支給方法は以下の2つが一般的です
- 出張に必要な交通費や宿泊費を含めた全体の費用を一括して支給する方法。
- 交通費や宿泊費は実費精算し、それ以外の生活費や雑費に相当する部分を日当として支給する方法。
日当の金額や支払い方法には法的な決まりはなく、団体ごとに就業規則や出張旅費規程で定められます。
日当は出張先までの距離や宿泊の有無、出張期間、役職などによって金額が決まるのが一般的です。
日当のメリットは?
日当には、団体と出張者の双方に多くのメリットがあります。
ここからは、その主なメリットを挙げます。
経費として計上可能(払う側)
日当手当は、出張に必要な経費として計上できるため、法人税の負担を軽減することが可能です。
経費として認められる範囲内であれば、税金の節約にもつながります。
経費精算の簡略化(払う側)
日当手当を定額で支給することにより、出張後の細かい経費精算の手間を省けます。
これにより、経理業務の効率化を実現することが可能です。
非課税扱い(もらう側)
日当手当は、給与所得としてではなく、必要経費の負担と見なされるため、非課税扱いとなります。
これにより、学術研究者や医療関係者の所得税負担が軽減されます。
生活費の補填(もらう側)
出張中は通常よりも生活費が高くなりがちですが、日当手当はその負担を補うことができます。
食事や雑費など、実費精算が難しい経費に対する補填が可能です。
モチベーションの向上(双方)
日当手当の支給により、学術研究者や医療関係者は出張時の経済的負担が軽減されるため、安心して学会に集中できます。
これが結果的に学術研究者や医療関係者のモチベーション向上につながるでしょう。
公平性の確保(双方のメリット)
出張手当の規定を明確にすることで、全ての学術研究者や医療関係者に対して公平な対応が可能となります。
これにより、組織の透明性と公平性が保たれます。
私的な旅行が絡む時は?
私的旅行が業務と混ざっている場合、それぞれの目的に応じて経費を按分する必要があります。
例えば、土日を利用しての観光は私的な旅行の要素が強いので、その日数に対応する費用は個人負担として計算することが一般的です。
ただし、学会参加と私的旅行の区別が曖昧な場合は、適切な処理が求められます。
学会参加の部分と私的旅行の部分を明確に分けて、経費を計算することが重要です。
私的旅行の経費を学会参加の経費に充てることは、監査当局から疑われる可能性があるため、慎重に処理する必要があります。
まとめ
日当手当は、団体にとっては経費の管理を簡便にし、税負担を軽減する手段であり、学術研究者や医療関係者にとっては出張中の経済的負担を軽減し、所得税が非課税となるメリットがあります。
これにより、団体の運営効率が向上し学会参加への集中度も高まるため、両者にとって有利な制度と言えるでしょう。
参考URL