オンライン学会の満足度は?
2023.04.25
2024.07.31
コロナ化もあり、オンラインでの学会開催が当たり前になってきた世の中ですが実際の参加者の満足度はどうなのでしょうか。この記事では、オンライン学会参加者の声をご紹介していきます。
オンライン学会の満足度
医療情報を発進しているCareNetが2020年に行った会員の医師1000人に対するアンケート(以下のアンケート結果は急増するオンライン学会、参加経験と満足度は?/医師1,000人に聞きました|医師向け医療ニュースはケアネット (carenet.com)を参考にしています)では、556人がオンライン学会の参加経験があるとの回答で参加学会は50以上の名前が上がっていました。オンラインという気軽に参加できるスタイルということもあり、海外の学会の名前もあがっているようです。
また、オフライン学会に対する満足度を10点満点で回答してもらったところ回答者の平均点は6.7点でした。8点と回答していた医師が556人中135人(24.2%)で最も多く、基本的には満足しているオンライン学会参加者が多かったです。
一方で、0点だったと回答した人が13人いましたが、その13人は全て同じ学会の参加者でした。該当していた学会は、当日通信状況が不安定でありオンラインで参加しようとしていた多くの人達がサイトへアクセスできないというトラブルが発生していました。
問題なくアクセスでき、通信が安定していればそこまで低評価はないようですが一度トラブルが起きると軒並み参加者の満足度は下がってしまう傾向にあるようです。
参加者が思うオンラインの良い点
オンラインでの参加者が回答した良い点としては、『移動の時間がかからなかった』が最も回答が多かったです。
また、『移動宿泊費がかからなかった・学会費が安くなった』などの費用面でのメリットや忙しい医師ならではの『都合の良い時間に何回でも視聴できた』という回答も多く見られています。
学会参加のために遠くまで移動したりするのは、忙しい人にとってはかなりの負担です。実際にオンラインで参加した人は、負担が軽減されたり忙しくても時間ができた時に見られるといったメリットを強く感じたようでした。
参加者が思うオンラインの悪い点
オンラインでの参加者が回答した悪い点としては、『ライブ感がなく、参加した感覚に乏しかった』が最多の回答です。
オンラインなのでどうしても他の参加者との交流なども難しく、画面を見ているだけになってくるので実際に参加したという気持ちになるのも難しいのでしょう。
中には、『現地の観光や飲食の楽しみがなくなった』といった学会参加以外の部分の楽しみも失われてしまうといった声もありました。
また、『ほかの参加者とのコミュニケーションの機会が失われた』といった、現地参加ならではの交流がなくなってしまったという声や『通信環境・配信環境に難があった』といったシステム上の不備を訴える声もありオンラインのみの学会はまだまだ課題があるようです。
しかし、『悪かった点はない』という回答も多くありオンライン学会に対しては好意的な意見も多かったです。
オンラインのデメリットを解消するには?
オンラインが抱えているデメリットを解消するひとつの方法として学会のハイブリッド開催という方法があります。
ハイブリッド学会は、リアルの学会開催とオンラインの学会開催を同時に行う方法の学会です。オンラインのみの学会よりも参加者が柔軟な参加方法を選べるため、オンラインのメリットとリアル参加のメリットのどちらも受けられるといったコロナ後のスタンダードな学会として注目されています。
リアルでの開催地が遠く、忙しくて現地には行けないということであればオンラインで参加し、実際に現地に赴く余裕があれば現地参加をして他の研究者や医師との交流をすることもできるでしょう。
学会運営側としてもリアルでの参加人数を抑えることができ、感染症や会場のキャパシティの問題にも対応することができるためハイブリッド学会はメリットが大きいということが言えます。
ハイブリッド型を求める声は多い
32万人以上の医師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイトm3.comの調査によると会員の医師1276人中約7割の人が学会のハイブリッド開催を求めているとの結果がでました。
学会の内容や熱量、自らの状況によって参加の形態を変えられるハイブリッド学会は参加者にとってもありがたいとの声があったり、中身のある議論ができないオンラインのみの学会が続いてしまうと学問としては身が上がらないが、育休中などでも参加できるオンラインも選べるというのは魅力的という声もありオンライン学会は学会参加者に強く求められているということがわかりました。
まとめ
オンライン学会の満足度は概ね高いようですが、課題もたくさんあるようです。
オンラインのみという開催方法も良いですが、さらに参加者の満足度を上げるためリアル開催とのいいとこ取りをしているハイブリッド形式の学会開催も検討してみると良いでしょう。