国際学会に必要な予算作成とは?
2024.11.04
2024.12.08
国際学会を主催する場合、予算を作成しなくてはなりません。
この記事では、そんな予算作成について解説していきます。
予算作成の進め方とポイント
予算作成の進め方は、会議開催が決定した時点で誘致時に作成した収支予算案を基に新たな予算案を作成することから始まります。
この際、会議の規模や内容に合わせてより具体的で実際的な予算案を作成することが必要です。
また、予算案は一度作成したら終わりではなく会議準備が進むにつれて随時見直しが必要です。
例えば、会議の規模や参加者数、会場の決定など新たな情報が入る度に予算の内容や項目を調整し、最終的には実行予算を作成します。
実行予算は、準備段階での変更や調整を反映させた最終的な予算であり、会議が開催されるまでには何度か更新されることが一般的です。
また予算作成において重要なポイントは、会議規模の把握と会議場選定です。
これにより、必要な会場費や運営費、設備費を予測することができるでしょう。
さらには、現金の出入り(キャッシュフロー)も計画に組み込む必要があります。
会議準備が進む中で、収入と支出のタイミングを見越した資金計画を立て、会議の実施に向けてキャッシュフローがスムーズに回るよう管理します。
特に、財団法人などが主催する場合は、年度ごとの収支予算と決算が求められることがあるため年度単位での予算管理にも注意が必要です。
予算は予期しない費用や変更を見込んで柔軟に対応できるように余裕を持たせ、会議準備に必要な資金を確保しておくことが大切です。
暫定的なプログラムの作成方法
暫定プログラム案の作成において、収支予算を算出するために必要な基本項目について検討し、具体的な会議の開催イメージを描くプロセスは非常に重要です。
以下にそのステップを解説します。
1. 参加者数
国内外の参加者数と同伴者数を予測し、会場規模や参加登録料収入を見積もります。
2. 抄録受付数
受付数から人件費や登録費を算出。印刷物作成費も考慮。
3. 発表論文数
オーラルとポスター発表数を予測し、会場や機材費を見積もります。
4. パーティー
パーティーの種類(有料/無料)と参加者数を基に飲食費や会場費を算出。
5. 展示会
出展料収入や展示会の規模、運営費用(会場費、スタッフなど)を予測。
6. ツアー
ツアーの種類、参加費、実施費用を見積もります。
7. 招待講演者
招待講演者の旅費、宿泊費などを予算に組み込みます。
8. 同時通訳
通訳人件費や通訳機材費を計算します。
9. 印刷物・制作物
印刷物(プログラム、抄録集)の数量や印刷費用を見積もります。
10. コングレスバッグ
バッグ作成費やノベルティの費用を予測します。
会議の全体像を具体的に描き、収支予算が正確に予測できるようにします。
ここでは、会議の進行方法や規模を想定して必要な経費をすべて網羅することが重要です。
収入予算の作り方
収入予算を作成するためには、考えられる財源ごとに実現可能性を見積もり、現実的な収入予測を立てることが重要です。
そのために、次の手順を参考にしてください。
1. 財源の見積もり
上記に挙げられた財源(会議登録料、自己資金、助成金、展示収入、販売収入、広告・スポンサー収入、協賛セミナー、パーティー等収入、寄附金など)ごとに金額を見積もります。
2. 項目ごとの予測
- 会議登録料:参加者数(例:500名)、登録料(例:5万円)から収入を予測。
- 助成金:自治体や公益財団からの助成金を見込む(例:300万円)。
- 展示収入:出展企業数(例:50社)と出展料(例:10万円)を掛け合わせて予測。
- 寄附金:企業や個人からの寄付金を予測(例:1,600万円)。
- その他の収入(広告収入、パーティー参加料など)も見積もります。
3. 収入金額の合計
各項目を計算し、収入金額を合計してください。
例えば、400名の会議で4,000万円の予算を立てる場合、以下のような内訳が考えられます。
項目 | 金額 |
会議登録料(4万円×400名) | 1,600万円 |
助成金 | 300万円 |
展示会収入(10万円×40社) | 400万円 |
寄附金 | 1,600万円 |
その他収入 | 100万円 |
合計 | 4,000万円 |
このように、各財源の収入予測を総合して収入予算を作成します。
支出予算の作り方
支出予算は、大きく下記4つのカテゴリに分けて計画を立てる必要があるでしょう。
- 事前準備費(会議開催前の準備費用):会場選定、プログラム作成、広報活動など。通常、全体経費の約30%。
- 会議開催費(会議中の運営費):会場費、設備費、講演者費用、参加者向け資料、飲食など。通常、全体経費の55~65%。
- 事後処理費(会議終了後の費用):清算、報告書作成、資料発送など。通常、全体経費の5~10%。
- 募金経費(募金活動費用):寄付金を集めるための費用。通常、全体経費の5%未満。
まとめ
予算を作成する場合、収支が合うように調整が必要です。
収入が足りない場合は、展示会収入や寄附金、助成金などを増やす方法を検討し、逆に支出が多すぎる場合は費用を削減する方法を検討するべきでしょう。
参考URL