学会に出席する意義は?
2023.01.23
2024.07.31
学会に出席する意義は何でしょうか?出席をしたことはあるけど考えたことがない方もいらっしゃるでしょう。この記事では、学会に出席する意義をご紹介していきます。
学会とは
学会は研究者の研究成果を発表すると共に、他の研究者や専門家との議論や知識の交換会を行う場です。また、学会誌の発刊などを行う機関も学会と呼ばれることが一般的です。
発表方法は、スライドを使って舞台の上から大勢に向けて発表を行うプレゼンテーション形式をとる口頭発表、ポスターを作成してそれを掲示した場所で聴衆が回って来たら発表をするという形のポスター発表といった種類があります。
口頭での発表の場合、質疑応答の時間がありますが司会進行役がいるので場を回す必要はありませんがポスター発表は、聴衆との距離が近く相互的なコミュニケーションが必要となるため臨機応変な対応が必要となります。
学会に参加する目的
ここからは、学会に出る目的を3つご紹介していきます。
研究結果の発表
研究結果を出しているにも関わらずその研究を研究室だけでとどめておくのは、研究者にとってもひいては世界にとってももったいないことです。すでに結果が出ているのですから世間に発表しないと他の研究者の研究も遅らせてしまうことになります。
そのため、自分で研究した結果を世間に知ってもらうことで知識や研究の共有をし、それぞれの研究に役立てていくのが学会の目的の1つとなっています。
周囲の研究を知る
自分の研究結果を発表することも大切ですが、研究者が他の人の研究を知るのも学会の重要な役割の1つです。誰かが既にやっている研究をひたすらやっていても無駄になってしまいますが、結果を出している人が隠しているわけでもないのに知らなかったというだけでその無駄な時間を過ごしてしまうのはもったいないと言えます。
他者の研究を知るという事は、その無駄を省くのに重要なことと言えるでしょう。
研究者としてアピール
学会では、情報収集以外にも研究者としてのアピールをする場としての機能があります。学会発表では、論文としてまだ認められていないけどもある程度の成果は出ているという人がディスカッションを行い自分の研究にフィードバックさせることができます。
この際に優秀な研究者としてアピールができれば、様々な情報が入ってきて自らの研究の今後に役立てることができるでしょう。
学会参加で得られること
ここからは、学会参加で得られることをご紹介していきます。
プレゼン能力
学会の参加者は全員が研究内容について詳しいわけではありません。そのため、学会の発表者は誰にでもわかりやすいプレゼンテーションをすることが必要です。工夫しながらプレゼンテーション資料を作ることになり、言い回しもわかりやすいものにしていかなければならないのでやればやるほどプレゼン能力が向上していくことになります。
研究に対する指摘への対応力
専門家の中にはかなりの曲者がいる場合もあります。その分野で専門家になれるほど頭が切れる人なので直接的に罵倒してくるようなことはありませんが、遠回しにエビデンスはどこのソースなのか、正しいデータなのかとネチネチと言ってくることも。
このような場面を経験していくことでメンタル面がかなり鍛えられていきます。対応力もついていくので学会発表以外の場面でも落ち着いた対応を取れる人になれるでしょう。
大勢の前で話す度胸
初めて大勢の聴衆の前に出て発表するという事は誰でも緊張するものです。しかし、このような場面を何度も経験していけば否が応でも慣れていき度胸がついていきます。
研究者として生きていくうえで学会発表や大勢の前で研究成果を説明するなどといった行為は切っても切れないものです。場数を踏んで早めに慣れておきましょう。
学会参加の補足的な目的
学会には研究成果を発表する以外にも補足的な目的があります。ここではその目的についてご紹介していきます。
人脈を増やす
学会では同じ研究をしていたり、同じ専門分野を勉強している仲間が沢山います。そんな人脈を増やせれば自分の研究が息詰まったときにアドバイスを貰えたり、助けが貰えることもあります。
意外と飲み仲間としての人脈が増えることも。
観光
学会は地方で行われることもあります。学会ついでに美味しいモノを食べたり、観光地を見て回ったりは楽しいものです。
まとめ
一部の学会では、学会員の減少が叫ばれているそうです。しかも知名度の低い小さい学会ではなく由緒ある伝統的な学会でその領域の研究者なら誰でも知っているような学会で起こっています。これは、その学会だけがつまらなくなって会員が少なくなっているわけではないようです。
学会に存在意義を見出せずに辞める人が増えてしまっているとのことだそう。そんな学会ですが、自分の研究成果を公開する場であり研究者として人脈を増やすのに必要な場です。決して無駄な時間ではないので積極的に参加し、自分の研究の糧にしていってください。