学会の座長とは?

2023.08.25

2024.07.31

学会発表の場では、座長という仕事があります。この記事では、そんな座長の仕事について解説していきます。

学会における座長とは?

学会における座長という役割は、大まかにいうと学会の司会進行です。発表時間の案内を行ったり、開始の挨拶、発表者の紹介や発表のタイムキーパーの役割も果たします。

また、質疑応答の仕切りも座長が行い誰も質問しなかった場合や厳しい質問が飛んできて学会発表者が固まってしまった場合など上手く進行させるためにフォローを行うこともあります。

学会を上手く進行させるために必要不可欠なのが座長という役割と言えるでしょう。

座長の事前準備

座長に任命されたのであれば、事前準備をしておくと当日スムーズに学会を進行することができます。

ここからは、準備するべきポイントについて解説していきます。

担当するセッションの内容把握

座長は学会をスムーズに進行させなければなりません。そのため、セッションの内容把握は必ずしておきましょう。

主に把握しておく内容は下記のとおりです。

1.セッションの開始・終了時間

2.セッションの場所

3.演題の発表者氏名

4.演題のタイトル・内容

座長は、セッションのタイムキーパーとしての役割も果たしています。そのため開始時間と終了時間を把握して上手く時間内に発表を終わらせる必要があります。

時間内に収められない場合、次の発表が押してしまい後々の学会発表者に迷惑がかかってしまうので注意が必要です。

また、学会によっては各セッションがバラバラの部屋で行われる場合があります。そのため、座長を務める会場をしっかりと把握し間違えることのないようにしなくてはなりません。

さらに、学会発表者の氏名と演題のタイトルも読み間違えないように難しい漢字などはふりがなを振っておくと良いでしょう。

質疑応答の質問を用意する

質疑応答は、基本的に聴衆から発表者に対して行われるものです。しかし、聴衆から質問を受け付けても質問が出てこない場合は座長が代わりに質問をして間を繋ぐこともしばしばあります。

事前に原稿を受け取っている場合は、前もって質問を準備しておくことができますがそうでない場合は発表の最中に質問を考えておきストックしておくようにしましょう。

トラブルシューティングを作っておく

学会発表では、予期せぬトラブルやハプニングが起こる可能性があります。スムーズな司会進行を行うためには、トラブルシューティングを作っておき対処法を考えておくと良いでしょう。

主な当日の流れ

ここからは、座長が行う当日の流れについて解説していきます。

発表者の点呼

セッションが始まる前に発表者が到着しているかを確認しましょう。確認時には、発表者の方は前の方のお席へお願いしますと誘導することで発表者を紹介する時スムーズに進めることができます。

開始時刻の案内

開始まであと5分となります、10時10分より開始となりますなど開始時間を案内します。

こちらは、座長の他にアナウンス係がいることもあり代わりに案内をしてくれることもあるため確認しましょう。

開始の挨拶

セッションの開始をすると共に座長のあなた自身の自己紹介を行なってください。挨拶の開始は定刻になる少し前にすると良いです。

自己紹介は、自分の名前と所属を述べる程度で大丈夫です。座長はあくまでも進行役なのを忘れないようにしましょう。

発表者を紹介する

発表者の名前と演算のタイトルは間違えないようにする必要があります。なぜなら間違えてしまうと失礼にあたるためです。

また、発表者を紹介したら座長が率先して拍手を送り発表者に登壇してもらうようにしましょう。

発表時間の管理

1人の時間が長引いてしまうと他の発表者の発表時間が少なくなってしまいます。時間を過ぎてしまっている場合は、手短にお願いしますなどの声がけをして時間を管理しましょう。

質疑応答

質疑応答では、聴衆からの質問で話題が予想外の方向へと進んでいくことがあります。そんな時には、座長が上手く場をコントロールし誘導していくようにしましょう。

質疑応答が白熱し過ぎて収拾がつかなくなってしまったら座長が割って入り、その場を収める必要があります。

終了の挨拶

質疑応答が終了したら『◯◯先生ありがとうございました』と挨拶をし率先して拍手をしましょう。

次の発表者がいれば次の発表者と演題のタイトルをアナウンスします。

大まかな流れは以上です。

座長に求められる役割

座長は時間を厳守させることで各セッションに分配された時間が延長されないようにすると共に、質問がない場合座長自らが質問することで持ち時間を消費するといった柔軟性も必要です。

また、不適切な質問や指摘をコントロールして建設的で前向きな議論へと導く努力も必要となります。

そのためには、前もって発表される分野の内容を理解し論文や抄録に目を通しておくといった準備が必要でしょう。

まとめ

学会における座長は、ただの進行役ではありません。貴重な時間を有意義なものにするには座長の力が必要です。

前もってしっかりと準備し、座長としての役割を果たしていきましょう。

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