学会費の集め方は?よくあるトラブルまで解説

2022.12.23

2024.07.31

学術や学問の発展に必要な学会は、会員からの学会費によって運営されています。今回は、そんな学会費の集金方法やよく起きるトラブルまでご紹介していきます。

学会費の集金方法は?

学会の集金方法は何種類かあります。それぞれの方法ごとにメリットデメリットがあるので、会員の特性に合わせて変えていく必要があるでしょう。効率的な集金方法を考えるためにも各集金方法の理解が必要だと思いますので、ここでは5種類の支払い方法を紹介していきます。

現金

学会費の集金方法として最もシンプルでトラブルの少ない回収方法です。スタンダードな方法としては、定期集会や研究発表などで会員が学会に出席するタイミングで経理担当が集金を行います。

複雑なシステムや個人情報を頂くこともないのでどんな層の会員にも対応可能な集金方法であると言えるでしょう。現金による集金はシンプルでトラブルが少ない反面、会員1人ずつとやり取りするため手間や時間がかかります。小規模の学会運営であれば、現金集金が現実的ですが大規模な学会だと集金だけでかなりの時間を取られる可能性もあるので注意が必要です。また、払った払っていないというトラブルが起きないように領収書を用意しておくことも重要でしょう。

クレジットカード

スタンダードな決済方法になってきたクレジットカードも学会費の集金方法に利用することができます。クレジットカード決済は、インターネット上で集金が完了できるので支払う方も受け取る側も時間や場所を気にせずにお金のやり取りができます。

クレジットカードは世界共通の支払い方法にもなっているので、参加者が日本国内だけではない学会でも対応が可能なため非常に便利とも言えるでしょう。

デメリットとしては、保有率の低い若年層や個人情報の取扱いに敏感な人、現金主義の会員などに対する集金方法を別に用意しておく必要もあるという点です。クレジットカード決済のみだと参加できない人が一定数いることも考慮しておきましょう。

銀行振込

学会費の集金方法として銀行振込を使っているところも少なくありません。現金での集金方法と同じくシンプルな方法でもあり、幅広い年齢層の方でも利用できるため広く利用されている方法です。

メリットは直接お金の受け渡しが無いので安全かつ確実というところでしょう。デメリットとしては、手数料が銀行ごとに違うため、会員に負担してもらうのか学会運営側で負担するのかが難しいという点です。手数料が嫌で銀行振込を敬遠している人もいるので、銀行振込一択というのも少し難しいとも言えるでしょう。

コンビニ決済

コンビニ決済は基本的に24時間いつでも支払いができるという所がメリットです。ただ、払い込み番号の取得や端末操作、レジでのやり取りなど馴染みのない人には少し難しく感じる決済方法かもしれません。

また、受け取る側もコンビニ決済サービスを利用するのにサイトへ登録したり、場合によっては利用料を支払ったりと面倒くさい一面もあるでしょう。

さらには、会員の住んでいる地域の特性によっては近くにコンビニが無く支払いのためにわざわざ少し時間をかけてもらう必要があるかもしれません。

口座振替

口座振替は会員が持っている銀行口座から指定日に自動で学会費の引き落としがされる機能です。設定だけしておけばいいので、会員は学会費の支払いのたびに銀行にいったり、口座番号を入力して送金したりしなくて済むので便利です。 一方で学会を運営する側は、口座振替を利用するために各金融機関との契約や審査を行う必要がでてきます。

学会費にまつわるトラブル

お金のやり取りにはトラブルがつきもの。会員数が多いほどミスやトラブルも起きやすいモノです。ここでは学会費にまつわるトラブルをご紹介しています。

入金管理や集金が大変

学会費の管理は、集めてから入金までの作業でかなり神経を使います。請求書の発行、送付、会員ごとの入金状況の確認や入金確認後の領収書発行など学会費の集金担当者がやらなくてはいけない事は沢山あり、時間も多くかかってしまう事でしょう。

入金額の間違いが発生すればその都度会員に連絡が必要ですし、入金管理を行うシステム上のトラブルも発生する可能性があります。

未入金が起きる

未入金は会員側が原因の場合がほとんどですが、集金方法に少し問題がある場合もあります。会員にとって払いやすい方法でないと、会員側の行動意欲を削いでしまい、結果的に未入金や滞納が発生してしまうのです。

また、月謝のように毎月発生するような学会費ならば会員側も忘れずに支払うことができますが年会費のように払うタイミングが1年に1回のみだと支払い自体を忘れてしまい未入金が起きることもあります。

未入金の会員に督促のメールや手紙を送るのは、担当者の負担にもなりますし学会と会員のお互いにとっても良いことではありません。なるべく未入金が発生しないような集金方法をシュミレーションしておくとよいでしょう。

学会費を集めやすくするには

学会費を集めやすくするためには、経理担当に負担を掛けないように回収率を上げていくことが必要です。ポイントを押さえしっかりと対策していきましょう。

ルールを明確にする

会員に学会費の支払いを意識付けるには、会費の用途と支払いのルールを周知するという事が必要です。

会報誌やメールマガジンで会費の用途を周知しておくのも良いでしょう。また、支払いのルールについては罰則を設けて会員の入金意識を高めておくという方法がよく用いられます。悪質な支払い滞納時の強制退会や延滞日数に応じた延滞料金の設定を行っておき、しっかりとした周知をしておくようにしましょう。入会時の説明や既存会員への定期的な注意喚起も忘れてはいけません。

入金しやすい方法で運営する

銀行振込だけの入金方法では、ATMが開いている時間しか支払いができません。クレジットカードでの支払いは24時間場所を選ばずできますが、カード番号やパスワードを入力するのが億劫などついつい学会費の支払いを後回しにしてしまうことがあります。

様々な状況を考慮し会員層をしっかりと見極め、入金がしやすい方法で運営すると回収率がアップするでしょう。

学会費の税務処理は?

学会費で意外と多い悩みは税務処理についてです。ここでは、学会費の税務処理についてご紹介しています。

消費税はかかるのか

学会費は税制の制度上非課税として扱われます。したがって消費税の計算は必要がありません。課税か非課税かは会員として支払う金額と会員が受けるサービスの間に対価関係があるかで決まります。

対価関係があれば課税で、なければ非課税です。例えば講習会参加費は講義を受ける権利が付与されるためサービスとの対価関係があるので課税されます。懇親会等もお茶やお菓子、催し物といったサービスを受けることになるので課税対象です。

学会は、会員が何かサービスを受けることは無いため課税対象にはなりません。

経費計上可能か

経費計上できるかは、その金銭が事業と直接的な関連性をもつのかどうかで判断されます。第三者からみても会費と事業に明らかな関連性がある場合、経費計上が可能です。遠方からの学会参加へ必要な交通費は経費計上できますが、出張中に旅行目的で出かけた場合の費用は経費計上できません。