日本の学術の状況と環境の変化

2024.02.20

2025.01.17

今日、人間社会では地球規模の課題に直面しています。

その中で、日本の学術や環境も刻々と変化しており早急な対策が必要です。

この記事では、そんな日本の学術の状況と環境の変化について解説していきます。

日本の学術の状況

日本の学術研究の状況は、世界的な学術研究活動の拡大という背景の中で、いくつかの課題に直面しています。

その課題のひとつとして学術論文に関する課題が挙げられるでしょう。

世界に目を向けると自然科学分野の論文数は増加していますが、日本のシェアや被引用数のトップ10%の論文数のシェアは低下しています。

同様に、国際共著論文の伸び率も他国に比べて低く、日本から海外に派遣される研究者の数も減少しているのも課題です。

大学においても、法人化による経費の削減や資金配分の問題があり、学術研究の活力を維持するための取り組みが求められています。

そんな厳しい財政状況の中でも競争的研究資金は増加していますが、一方で一部の大学や研究者に資金が集中する傾向があります。

これは原因として、国の支援がトップレベルの大学に偏っている可能性があるでしょう。

日本国内の研究力を向上させるためには、こういった支援の偏りを是正することも必要となります。

また、将来の学術を担う人材に関しても課題があります。

常勤の研究職に就くことができずポストドクターを繰り返す人の数が増加し、将来を担うはずの研究者のキャリアパスを見通せないことが問題視されています。

そのため博士課程修了後のキャリアパスが見通せないことを理由に、大学院に進学しない優秀な学生が増えているのも課題のひとつです。

さらに、女性研究者の割合が低いという性別の問題もあります。

これらの課題を対処するためには、研究資金の適切な配分やキャリアパスの整備、女性研究者の支援など、さまざまな施策が必要です。

国内の学術研究は二極化が起きている

国内の学術研究には、いわゆる食える学術研究と食えない学術研究の二極化が起きていると言われています。

ノーベル賞を獲得したり、メディアに取り上げられた分野や世紀の大発見が生まれた研究分野など注目度が高くて将来的な成長も見込める研究分野は次年度から予算が出やすくなります。

現在では、AIなどの分野や最先端医療の分野に注目が集まっており将来的な成長も見込めるため予算が出やすい傾向にあるでしょう。

一方で研究結果が出るまでに時間がかかるような研究分野、学術研究の結果がどのように社会で役に立つのかが見えない研究分野などは予算が出づらいです。

研究職は、大抵が自分の興味のある分野をより深く追求したいという気持ちで志しますが、自らのキャリアを考えて食える研究分野へと路線変更する場合もあるそうです。

このように、将来的な可能性がはっきりとしている分野のみに資金やサポートが集中してしまうと分野ごとの偏りを生じさせてしまう事もある上に、学術研究者本人のモチベーションも下げてしまいます。

学術を取り巻く環境の変化

現在、人類社会は多くの地球規模の課題に直面しています。

経済危機、貧富格差、地域紛争、温暖化、エネルギー・資源枯渇、食料供給の不安定、感染症などがその一部です。

これらの課題は単なる国内の問題ではなく、世界中で共有され、解決には国際的な協力が必要です。

国内では、少子高齢化社会への対応や国際競争力の向上、自然災害への備えなどが喫緊の課題として挙げられます。

特に、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故による被害は、国内外で大きな影響を与え、その対応と復興には国力の大部分を割かなければならない課題となっており発生当初から現在でも大きな課題となっています。

このような大きな課題を解決するために学術研究は、重要な手段のひとつとなるでしょう。

また、このような課題以外にも学術研究による知の創造と共有によってさらなる問題の解決や新たな技術の開発が可能となります。

しかし、国際的な競争も激化しており、優れた研究者の獲得競争がますます激しくなっているのが現状です。

さらに、情報技術の進歩によって学術研究の方法も変化しています。

インターネットを通じて世界中の研究成果にアクセスできるようになり、大量のデータから意味のある情報を抽出する「データベースに基づく知識発見」が可能になっています。

これによって、学術研究の効率化や国際的な協力が促進されており今後の学術研究のさらなる国際化が急加速していくことが予想されるでしょう。

まとめ

日本を取り巻く学術研究の状況は、地球規模の課題も含めて今後も変化していきます。

さまざまな角度からのアプローチやフォローが必要と言えるでしょう。

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