抄録、要旨、予稿集違いとは
2023.02.10
2025.01.17

抄録や予稿集など似たような内容で呼び方の違うものが多数存在しています。この記事では、抄録と予稿集、要旨の違いについてご紹介していきます。
抄録とは
抄録とは、論文や研究発表の概要を抜粋して表現を変えずになるべく短くまとめた文章です。英語ではAbstractと呼ばれ日本では、抄録という呼ばれ方以外に英語名を略してアブストと呼ばれることもあります。
抄録は、「報知抄録」と「指示抄録」という2つに分かれています。報知抄録とは、論文を作成した目的や調査方法、自分の考察をまとめたものです。報知抄録は、最長でも作文用紙1枚分、約400文字ほどで文章を書きます。指示抄録は、論文のテーマを端的にまとめ分かりやすくしたものです。指示抄録は、60字から70字ほどの短い文章でまとめます。
上記は一般的なルールですが、文字数の制限や文章の書き方は学会ごとにルールが存在しているので抄録を書く際に必ず学会のルールを把握しておくようにしましょう。
予稿集とは
予稿とは学会などで論文を発表する際に参加者へ配布されたり、発表原稿として使用されている文書です。中間発表などで使われる原稿も予稿と呼ばれていることがあります。英語では、Preprintです。
予稿集を読む学会参加者の中には、論文の内容や分野については専門外という人も多く要旨集や抄録集よりも相手に伝わりやすく分かりやすい文章を意識してまとめる必要があります。文字数は、A4サイズの原稿1枚から2枚におさまるくらいで大体1,500文字から2,800文字が一般的と言われています。他の文章より多い文字数で伝えたいことを書くことが可能ですが、上手く文字配分していかないと本当に伝えたいことが何か分からなくなってしまうので注意です。
要旨とは
要旨という言葉には、内容をまとめたものという意味があります。ここで言う要旨も学術論文を書いた目的、調査方法、考察などを短くまとめた文書のことを指しています。論文の内容を誰にでも分かりやすく、ぎゅっとまとめるため作成した学術論文の内容からなるべく外れないように表現を変えたり、削除したりといった工夫が必要です。
文字数は一般的に200文字から400文字で書かれる事が多く、上手く端的に伝わる文章を書く必要があります。
ちなみに今まで紹介してきた3つの基本的な本文構成は、下記の形が多いです。
- 研究調査の背景
- 研究調査の目的
- 研究調査の方法
- 研究調査の結果
- 考察
- まとめ
文章要約のコツ
では、短くても相手に伝わりやすく分かりやすい文章を書くコツはなんでしょう。ここでは、要約のコツを3ステップに分けて解説していきます。
文章を段落に分ける
まずは、自分で作成した論文の文章を段落ごとに分解していきます。基本的には、もとから存在している改行を目安として改行が無い文章は「しかし」などの接続詞を目印として話の転換部分で段落ごとに分解していきましょう。
要点と要旨をピックアップする
文章を段落ごとに分解出来たら、段落ごとに要点を見つけ出す作業をしましょう。ここで言う要点とは、最も重要な一文や最も伝えたい一文の事です。要点は、段落の最初か終わり、または両方に置いてあることが多く具体例が書いてある場合には、その例を補足している部分に注目してみると見つけやすいです。
次に取り出した要点の中から、最も伝えたい主張や成果(要旨)を絞り込みましょう。それぞれの要点は、要旨の説得力を強くするために存在しており、要点をピックアップして並べるだけでも伝わりやすい論理的な文章の構成ができます。
相手に伝わりやすい言葉にする
論文では、難しい表現や言葉が使われることがあります。文章を要約する場合、短くなっていても難しい言葉ばかりで相手に伝わらなければ意味がありません。
正しい要約は、元の論文を見ていなくてもその内容が理解できるような文章が理想です。要約が出来たら第三者に読んでもらい内容が伝わるか精査してもらうとよいでしょう。
良い文章の書き方
良い文章には、下記の3つの特徴があります。
- 読みやすい:途中で悩まず流れるようにスッと読み進められる
- 分かりやすい:一度読んだだけで文章の内容が理解できる
- 信頼が持てる:あいまいな所がなく論理的に書かれている
具体的には起承転結を意識して書くことにより、読みやすく分かりやすい文章ができあがります。
起承転結とは、下記の通りです。
- 起:物事の前提(導入)
- 承:物事の始まり・何が起きたのか
- 転:物事が転換する事柄や場面
- 結:結果的にどういう結果がもたらされたか
この起承転結を意識することで、短くてもすっきりした文章が書けるので意識してみて下さい。
まとめ
相手に伝わりやすく端的に文章をまとめるという事は、ライターとして仕事をしている人でも時間がかかりますし、難しいです。初めは、第三者に読んでもらい分かりにくいところや難しい表現などを指摘してもらい修正していきましょう。
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