日本初の学術系クラウドファンディング『アカデミスト』とは?

2025.01.10

2025.02.23

クラウドファンディングを通して研究費用等を集めることができるサービスがあります。

この記事では、そんなサービスであるアカデミストについて解説していきます。

そもそもクラウドファンディングとは

クラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた仕組みで、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める手法です。

起案者は自身のアイデアや目標を発信し、それに共感した支援者が資金提供を行います。

手軽さや拡散性の高さに加え、テストマーケティングにも活用できる点が特徴です。

クラウドファンディングは2000年代に米国で始まり、日本では2011年にサービスが登場しました。

現在、寄付型や購入型、株式型など多様な形式があり、アイデア実現の新たな資金調達手段として注目されています。

アカデミスト(academist)とは?

アカデミスト(academist)は、日本の「研究力の低下」という課題に対し、新たな解決策を提示する取り組みです。

従来の国主導の中央集権型大学モデルには構造的な限界があると捉え、研究者の環境が悪化し、学問の土壌が衰退するリスクに対して危機感を持っています。

アカデミストは、個人や企業など多様な主体が研究を支える「分散型モデル」を構築し、「開かれた学術業界」を実現することが目標です。

研究者が自分の言葉で研究ビジョンを発信し、多様な人々と共感を通じてつながることで、研究と社会の距離を縮め、研究を通じた豊かな社会の実現を目指しています。

このような理念のもと、学問と社会を結びつける新しい仕組みを提供しています。

アカデミストが提供しているサービス

アカデミストが提供しているサービスは、どのようなものがあるのでしょう。

ここからは、そんなアカデミストが提供しているサービスについて解説していきます。

academist Crowdfunding

研究者が特定の目標を達成するために必要な資金を集める仕組みです。

研究者(チャレンジャー)は、自身の研究ビジョンや目標金額、資金の使用用途を具体的に示し、支援者を募ります。

このモデルの特徴は、目標金額を達成しない場合は支援が取り消される「オールオアナッシング」方式を採用している点です。

支援者は、研究を応援したいと思うプロジェクトに対して、リターンを受け取る形で資金を提供します。

これにより、研究者は資金と共に社会からの共感を得ることができます。

academist Fanclub

ファンクラブ形式で研究者を長期的に支援する仕組みです。

研究者は、定期的に研究活動の進捗や成果を発信し、それに共感した支援者(サポーター)が月額制で支援を行います。

このモデルの特徴は目標金額を設定せず、継続的に支援金を受け取れる点です。

研究者は、安定した資金を得ることで長期的な研究活動を支えることができ、支援者は研究の進展を共有する楽しみを得ることができます。

academist Grant

企業と研究者をつなぐ仕組みで、研究者が企業から助成金を受け取れるサービスです。

研究者は、自身の研究ビジョンを企業に対して申請し、企業はそのビジョンに共感すれば助成金を提供します。

このモデルは、単なる資金提供にとどまらず、研究者と企業の間で長期的な関係を築き、将来的な研究発展や事業の可能性を広げる点が特徴です。

企業にとっても、学術分野とのつながりを強化し、自社の発展に役立つ知見を得る機会となります。

アカデミストは、これら3つのサービスを通じて、研究者が自らの研究を社会に発信し、共感を得て支援を受けられる環境を提供しています。

従来の資金調達モデルに依存するのではなく、個人や企業など多様なステークホルダーを巻き込むことで、研究活動を支える新しいエコシステムを構築しています。

研究者と支援者の距離を縮めるだけでなく、研究を通じて社会全体を豊かにすることを目指している点が、アカデミストの大きな特徴です。

応募資格と審査基準

アカデミストでは、研究者がプロジェクトを成功させるために必要なスキルや態度を重視し、以下の4つの基準に基づいてプロジェクトの掲載可否を判断します。

推薦者の確保

大学や研究機関に所属する博士号取得者から2件の推薦を得る必要があります。

研究遂行能力の実証

応募者が当該分野で研究を遂行する能力を示す具体的な実績が求められます。

明確な研究ビジョン

プロジェクトの研究ビジョンとその達成までの計画がしっかりと描かれていることが重要です。

プロジェクト宣伝の意欲

研究内容に自信を持って宣伝できるマインドセットを持つことが条件です。

特に大学生や大学院生で論文執筆経験がない場合は、指導教官の許可が必要です。

これらの基準を満たしていても、最終的にはacademist内部での総合的な判断により、掲載が見送られる場合もあります。

判断に迷う場合は、気軽に問い合わせることが推奨されています。

まとめ

補助金だけでなく、クラウドファンディングで研究費用を集めるという方法もひとつの方法です。

ぜひ、検討してみてはいかがでしょう。

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