学会・国際会議の人手不足を乗り切るには? 効率的な学会運営

2025.06.24

2025.06.24

近年、中小規模の学会や国際会議では、運営に携わる人手が不足しがちで、事務局は多忙を極めています。
こうした運営人材の不足は多くの学協会で共通する課題であり、各団体で運営方法の見直しや新たな取り組みが模索されており、限られた人数で膨大な業務をこなすためにも「効率的な学会運営」が強く求められています。
そこで本記事では、学会・国際会議の人手不足の背景と課題を整理し、少人数でも円滑に学会を運営するための具体的な対策を解説します。人
手が足りないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

学会運営における人手不足とは何か?

学会運営における人手不足とは、学会の準備・当日の進行・事後処理に必要な人材が足りず、業務遂行に支障をきたす状態を指します。
大学や研究機関の職員に加え、学生アルバイトやボランティアに依存していることも多く、安定的な人材確保が難しくなっています。

学会の運営で求められる業務とは

学会の運営では、事前準備から当日運営、事後対応まで多岐にわたる業務が求められます。
演題登録、要旨集の作成、参加登録管理、受付対応、会場設営、来場者案内、懇親会運営、アンケート集計など、細かく煩雑なタスクが発生します。

学会運営における人手不足の背景と課題

学会や国際会議で人手不足が起こる背景には、学会員数の減少や事務局スタッフの負担増大などがあります。
また、学会は春と秋に開催が集中する傾向があり、その時期には全国的に学会が重なり、運営スタッフの取り合いが発生します。

特定の人材に業務が集中しやすく、準備不足や過重労働につながるリスクもあります。
また、会員管理から大会準備・当日運営まで事務局の業務範囲は広く、少数精鋭では対応しきれない事態になっています。
その結果、対応の遅れやミスが生じやすくなり、学会運営の質にも影響を及ぼす可能性があります。
さらに、近年はオンライン開催やハイブリッド開催への対応など業務内容が多様化し、従来以上に事務局業務が煩雑になっています。

学会の人手不足が引き起こす問題

人手が不足している状態で学会を開催すると、現場の混乱や業務遅延、参加者満足度の低下といった問題が顕在化します。
それは学会の信頼性や来年以降の参加意欲にも影響を与えるため、早急な対策が求められます。

受付対応が滞ったり、資料配布に漏れが出たりすると、参加者にとって不快な体験となります。
案内スタッフの数が不足すると、会場誘導や質疑応答のタイミングで混乱が起きやすくなります。
また、限られたスタッフでの運営では、事前準備にも遅れが生じます。
演題登録の確認や要旨集の編集作業が予定通り進まないと、学会直前まで準備に追われることになります。

人手不足の解消方法

業務効率化とデジタルツールの活用

人手不足を補うには、学会業務の効率化とデジタルツールの活用が有効です。
オンライン参加登録システムや電子チケット、QRコードによる受付を導入することで、従来人手に頼っていた受付・集計業務を大幅に削減できます。
また、学会プログラムや資料配布を専用アプリやウェブ上で提供すれば、紙資料の準備負担も軽減し問い合わせ対応の手間も減らせます。
これらのITツールを活用することで「人に頼らない運営」を実現し、限られたスタッフでも効率的に学会を回せるようになります。
ある学会ではオンライン登録システムを導入した結果、受付担当の人員を半減できたという報告もあり、デジタル化の効果は大きいと言えます。
ただし、機器トラブルへの備えやツールの習熟も必要なため、導入に際しては専門家に相談するなど慎重な準備が望まれます。

ボランティアやアルバイトスタッフの活用

学会当日の人手不足を補うには、短期アルバイトボランティアを活用する方法も効果的です。
受付や会場案内など比較的簡易な業務は臨時スタッフを雇用することで、常勤スタッフの負担を軽減できます。
アルバイトを雇う際は事前に募集と契約手続きを行い、労働条件の明示やシフト調整、給与支払いなどを適切に準備しておくことが重要です。
また、最低賃金の遵守や休憩時間の確保、労働時間管理など基本的な労務ルールも徹底し、トラブルを未然に防ぎましょう。
一方、大学生や若手研究者にボランティア参加を呼びかければ、学会運営に興味を持つ人材の協力を得られます。
ボランティアには交通費の支給や参加証明書の発行など、参加するメリットを用意してあげると集まりやすくなります。
実際に、ある学会では大学院生を中心にボランティアスタッフを募り、学会運営を手伝ってもらったところ、参加者側からも好評だったという事例があります。
アルバイトとボランティアの使い分けは学会の規模や予算に応じて判断し、安定した人手を確保しつつ学会に関心のある人々にも貴重な経験の場を提供できます。

学会業務の外部委託(プロへの依頼)

コンベンション代行会社などの学会運営専門業者に業務を委託することも、人手不足解消の大きな助けになります。
企画立案、会員管理、会場手配、当日の運営、オンライン配信対応など、学会には多岐にわたるタスクがありますが、経験豊富なプロに任せれば少人数の事務局では手が回らない部分もカバーできます。
例えば、参加登録の管理や決済処理を外部に委託すれば、事務局は企画や学会内容の充実といったコア業務に集中可能です。
外部委託は必要な範囲だけ依頼することもでき、予算やニーズに合わせ柔軟に活用できます。
一部の書類作成や会員データ管理のみを月数万円程度でアウトソーシングするなど、小規模学会でも無理のない範囲で専門家の力を借りられるでしょう。
プロのノウハウを導入することで、運営業務の質向上と人手不足の解消を同時に実現できます。
実際に、外部委託によって事務局作業の大幅な省力化を達成した学会もあり、限られた予算内で必要な部分のみ任せる工夫次第で人手不足を補えるでしょう。

オンライン・ハイブリッド開催の活用

対面にこだわらずオンライン要素を取り入れることも、人手不足の解決に繋がります。
完全対面開催をやめて一部をオンライン発表や配信に切り替えれば、現地会場で必要なスタッフや受付業務を減らすことが可能です。
特に質問応答やポスター発表などをオンライン化すれば、会場設営や誘導に割く人員を抑えられるでしょう。
オンライン開催やハイブリッド学会に慣れれば、参加者も自宅や職場から参加できるため運営側も現地対応に集中できます。
ただし、不慣れなうちはオンライン配信の技術サポートが負担となりかねないため、必要に応じて配信業者の協力を仰ぐことも検討してください。
臨機応変にリアルとオンラインを組み合わせることで、少人数でも質の高い学会運営を実現できます。

若手会員の参加促進と組織の活性化

学会の持続的な人材確保には、若手研究者や新規会員の積極的な参加を促す取り組みも大切です。
学会に参加するメリット(研究発表の機会、ネットワーク形成、キャリア支援など)を打ち出し、魅力を高めることで運営に協力してくれる人材を増やせます。
若手向けの参加費減免やメンター制度の導入など、ハードルを下げる工夫も有効でしょう。
将来の学会運営を担う人材を育成し、若い世代が役職や実務に関わる機会を増やせば、長期的に見て人手不足の解消につながります。
「人が足りないから運営が大変」という悪循環を断つために、学会全体で多様な人材が関われる柔軟な仕組みづくりを目指しましょう。
また、他の関連学会や業界団体と協力して合同イベントを開催し、運営負担を分散させるといった取り組みも有効です。

役割分担の明確化と事前準備の徹底

限られたスタッフで運営する場合こそ、事前の役割分担とタスク整理が重要です。
大会運営に関わる担当者ごとに具体的な役割を明確に決めておき、当日の動きをシミュレーションしておくことで、スタッフ数が少なくても混乱を防げます。
また、タスク管理ツールや進行表を活用し、準備段階から各自の作業進捗を「見える化」して共有しましょう。
Todoリストアプリやプロジェクト管理ソフト(例:TodoistやTrelloなど)を使えば抜け漏れを減らし、問題発生時も誰が対応するか明確になります。
小規模な運営チームほど一人ひとりが複数の役割を兼任することが多いため、早めの情報共有と綿密な打ち合わせで当日に備えることが肝心です。

ツール活用・外部委託で効率化する際の注意点

学会運営管理システムなどのデジタルツールや外部に学会運営を委託すると、人手不足で悩む学会でもスムーズに運営されるでしょう。
しかし、その強みの裏返しとなるリスクにも注意が必要です。効率化策を講じる際はデメリット面にも目を向け、万全の準備と管理のもとで実施することが成功のカギとなります。

委託やシステムでカバーできない面の注意点

まずITツール導入では、システムに不慣れだと逆に混乱する恐れがあります。
新しいオンラインシステムを使いこなすための事前研修やマニュアル整備を行い、当日トラブルが起きた際のサポート体制も用意しましょう。
ネットワーク障害や機器不調などに備えてバックアップ案を準備しておくことも大切です。
外部委託については、コスト面と学会独自性の維持がポイントです。
便利だからと何でも任せると費用がかさみ、限られた予算を圧迫する可能性があります。
委託範囲は必要最小限に絞り、契約前に見積もりとサービス内容を十分確認して無理のない計画を立てましょう。

セキュリティ関連の注意点

さらに、会員情報など機密データを外部に預ける際には、委託先の情報セキュリティ体制が信頼に足るか確認することも欠かせません。
また、外部の運営代行に任せきりにすると、学会ならではの雰囲気や細やかな配慮が行き届かなくなる懸念もあります。
業者とは密にコミュニケーションを取り、自団体の理念や方針を共有してもらうことで、学会の独自性を損なわずに支援を受けることができます。
ボランティア活用の場合も、事前研修やフォローを怠ると当日トラブルに発展しかねませんので、責任者を決めて指示系統を明確にしておくと安心です。
また、急に来られなくなるスタッフが出た場合に備え、予備人員や代替策を用意しておくことも必要でしょう。

学会の人手不足でお悩みの方へ

学会運営の人手不足解消のため、何をどうしたら良いのかお悩みの方は、例えば、学術大会・国際会議の運営を一括管理できる「AWARD(アワード)」のようなシステムを利用すれば、参加登録受付やプログラム編成、決済管理など煩雑な手続きをオンラインで完結できます。
また、クラウドシステムの導入によって郵送物や印刷物を減らせるため、運営コストの削減にもつながります。
従来比5分の1のコストで学会開催を実現した例も報告されています。

クラウド上で業務を自動化・効率化することで、紙資料の発送や入金確認に追われる時間を大幅に削減し、少人数でも滞りなく学会を回せるようになります。
中小規模の学会でも導入しやすいよう設計されており、オンライン学会やハイブリッド開催にも対応可能です。

しかも、専任コンサルタントによるサポート体制も確立されており、分からないことがあればすぐに相談することができます。
このような運営支援ツールを賢く使うことで、「時間が足りない」「人手が足りない」という事務局の悩みを解消し、本来注力すべき学術活動にリソースを集中できるでしょう。

まとめ

学会・国際会議の人手不足を乗り切るためには、様々な工夫と対策を組み合わせて運営効率を高めることが重要です。
デジタルツールの導入やボランティアの活用、専門業者への委託など、少人数でも回せる仕組みを整えることで円滑な学会開催が可能になります。
同時に、将来の人材を育成し多くの人が関われる学会運営を目指すことで、継続的な人手不足の解消にもつながるでしょう。
工夫次第で中小規模の学会であっても「大変」を「簡単」に変えることができます。
人手不足に悩む学会事務局の方は、本記事で紹介した方法をぜひ一度検討してみてください。
限られた人員でも、工夫と協力次第で参加者に満足いただける有意義な学会を実現できます。
人手不足だからと開催を諦めず、できるところから効率化に取り組んでみましょう。

学術大会・国際会議開催システム「アワード」のご紹介

学会運営における課題を解決し、効率的かつ効果的な運営を実現するために、学術大会・国際会議開催システム「アワード」は以下のニーズにお応えします。

  • 1. 学会の効率化と人手不足の解消

    学会運営では、事務局の業務量が膨大で、少人数で対応するのが難しい場合もあります。学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、煩雑な運営業務を自動化・効率化することで、人的リソースの負担を軽減します。たとえば、参加登録、プログラム作成、講演者管理などがワンストップで完結します。

  • 2. 学会運営のコスト削減

    学会開催には、印刷物や郵送、事務局人件費など多くのコストが発生します。学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、クラウドベースでの運営によりこれらのコストを大幅に削減可能。さらに、事務局代行費用を削減しつつ、高品質なサービスを提供します。

  • 3. 決済機能でスムーズな収益管理

    学会参加費や年会費のオンライン決済に対応。安全性の高い決済システムを導入しているため、事務局での入金確認の手間が省け、効率的な資金管理が可能です。これにより、参加者にも事務局にもストレスフリーな学会運営を実現します。

  • 4. 学会運営サポートで「大変」を「簡単」に

    「学会運営が大変」と感じている学会事務局の方々に向け、運営全般を支援する学会運営サポートをご用意しています。例えば、会場手配、プログラム編成、スポンサー管理など、運営代行サービスもご紹介可能です。

  • 5. 柔軟な管理システムで多様なニーズに対応

    学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、学会の規模や形式に応じて柔軟にカスタマイズ可能。オンライン学会、ハイブリッド開催にも対応しており、参加者がどこにいても円滑な学会開催をサポートします。

  • 6. 費用対効果の高い学会開催を実現

    学会開催費用を抑えつつ、質の高い学会運営を目指す方に最適なソリューションです。クラウド型システムの導入で初期費用を抑え、必要に応じて追加オプションを選択することが可能です。

学術大会・国際会議開催システム「アワード」は、学会の運営をトータルでサポートし、効率化・コスト削減を実現する強力なパートナーです。学会運営の課題を抱える事務局や運営会社の皆さま、ぜひ一度ご相談ください!

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