学会・オンライン学会のコストを下げる方法とは?
2025.06.24
2025.06.24

学会(学術大会)の運営には多くの費用が伴います。
参加者からの参加費収入や助成金・協賛金などには限りがあるため、支出を抑えることが運営上の大きな課題となります。
また、昨今は大学や企業による経費削減の影響で学会運営に割ける予算が縮小する傾向にあり、費用対効果の高い運営が一層求められています。
近年ではオンライン学会も増えていますが、形式を問わずコスト削減は重要なテーマと言えるでしょう。
本記事では、学会・オンライン学会において、コストを下げる方法について徹底解説していきます。
学会に係る方はぜひ参考にしてください。
学会のコストとは?
学会のコストとは、学術大会を開催する際に発生する様々な費用のことです。
会場のレンタル費用や音響・映像など設備の手配費、講演者の交通費・宿泊費、資料の印刷費用、運営スタッフの人件費など多岐にわたります。
懇親会や交流イベントの開催費用が含まれる場合もあります。
費目ごとの割合を見ると、会場関連費用や設備費が大きな比重を占め、次いで人件費や印刷・通信費が続く傾向があります。
特に大規模な学会では、これらの費用が高額になり、主催団体の財政を圧迫する要因となります。
実際に、中規模以上の学会では総費用が数百万円から数千万円に達することも珍しくありません。
例えば、参加者数が500~1,000名規模の学術大会では大型ホールに加えて複数の中小会場を2~3日間使用するケースもあり、その場合会場費や機材レンタル費だけで数百万円に上ることがあります。
学会は限られた予算内で運営されるため、コストが増大すれば参加費の値上げや赤字の発生といった問題につながりかねません。
そのため、学会を継続的に開催していくためには、これらコストの適切な把握と管理が欠かせないのです。
オンライン学会のコストとは?
オンライン学会のコストとは、ウェブ会議システムなどオンライン上で学会を開催する場合に必要となる費用のことです。
具体的には、ZoomやWebexなどオンライン会議ツールの利用料、配信機材のレンタル費用、動画配信や録画のためのサービス利用料、オンライン参加登録システムの利用料などが含まれます。
現地開催に比べて会場費や参加者の移動・宿泊費がかからない一方で、安定した配信環境を整えるための機材準備や技術サポート費用が新たに必要となる点が特徴です。
また、配信の品質確保のため専門業者に配信運営を委託する場合は、その委託費用が別途発生します。オンライン開催であっても内容によっては一定のコストを見込んでおく必要があります。
一般的には、完全オンライン開催に切り替えることで従来よりも総費用を抑えられるケースが多く見られます。場合によっては、現地開催時の半分以下の費用で済むこともあります。
ただし、オンライン形式と現地開催を組み合わせたハイブリッド開催では両方の準備が必要になるため、運営規模によっては現地開催単独よりコスト増となる場合もあります。
こうした学会開催にかかる費用をいかに抑えるかが、運営者にとっての大きな課題です。まずはコスト削減によって得られる主なメリットを整理し、その上で具体的なコスト削減策を見ていきましょう。
学会のコスト削減のメリット
学会のコストを削減することは、単に支出を減らすだけでなく様々な利点をもたらします。
まず、運営費を節約できれば参加費を必要以上に引き上げずに済むため、参加者の経済的負担を軽減できます。
これは、参加費や年会費の負担が原因で会員が離れてしまう事態の防止にもつながります。
参加費が手頃であれば多くの研究者や学生が参加しやすくなり、学会の活性化につながるでしょう。
また、浮いた予算を基調講演の充実や若手研究者支援など他の目的に振り向けることで、学会の質や魅力を高めることも可能です。
さらに、コスト管理が行き届いていれば財政基盤が安定し、継続的に学会を開催していく上でのリスク軽減にもつながります。
費用対効果の高い運営を実現することは、学会の持続可能性を高め、参加者からの信頼にもつながります。
学会のコストを下げる方法
学会のコストを下げる方法には様々なものがあります。
運営の工夫や技術の活用によって、従来よりも効率的かつ低コストで学会を開催することが可能です。
以下に、学会・オンライン学会のコストを下げるための具体的なポイントをいくつか挙げます。
コスト構造の見直し
学会にかかる全ての費用項目を洗い出し、無駄や過剰な支出がないか精査します。
事前に詳細な予算を策定することで、どの分野で削減が可能かを把握でき、計画的なコストカットにつながります。
オンライン開催の活用によるコスト削減
学会をオンライン形式にすることで、大きな会場を借りる必要がなくなり、会場費や設備費を大幅に削減できます。
参加者の移動や宿泊にかかる費用負担も減らすことができるため、全体的なコストダウンにつながります。
オンライン開催はコロナ禍を契機に多くの学会で導入され、その有効性が実証されつつあります。
会場費用の見直しによるコスト削減
現地開催の場合は、会場選定を工夫することで費用を抑えられます。
平日昼間ではなく費用の割安な時間帯や時期を選ぶことで会場費を抑えられます。
また、主要都市から少し離れた場所にある会場や、必要最低限の広さの会場を選ぶことも有効です。
さらに、早期予約割引を利用するといった工夫により、会場に関するコスト削減が可能です。
複数の会場で見積もりを取り比較・交渉することで、より安い条件を引き出せる可能性もあります。
さらに、プログラムを調整して必要以上に会場数や開催日数を増やさないようにすることで、無駄な支出を防ぐことができます。
さらには、関連分野の他学会と合同で大会を開催し、会場や運営の費用を分担するといった方法も考えられます。
資料のペーパーレス化によるコスト削減
要旨集やプログラム、配布資料などを電子化しオンライン配布することで、印刷費や郵送費を削減できます。
紙媒体を減らすことはコストダウンだけでなく、当日の荷物削減や環境負荷の軽減にも寄与します。
近年ではウェブ上で要旨集を公開したり、参加者にPDFデータで配布するケースも増えてきました。
実際に、要旨集のオンライン化によって印刷関連費用を大幅に削減できた例もあります。
人件費・運営作業の効率化によるコスト削減
学会当日の受付や誘導、事前の参加登録処理などの業務を効率化することで、人件費を削減できます。
例えば、スタッフやボランティアを適切に配置し、無駄のない運営体制を整えることが重要です。
また、外部の事務局代行サービスの利用を最小限にとどめ、内部リソースや自動化ツールで対応することでコストを抑えられます。
人的リソースを効率よく活用し、少人数でも円滑に運営できる仕組みを作ることがポイントです。
近年では受付でQRコードを活用した自動チェックインなど、さらなる省人化の工夫も進んでいます。
学会開催システムの活用によるコスト削減
学会専用の開催システムやツールを導入することで、従来は紙や手作業で行っていた演題登録・参加登録・決済管理などをオンラインで一元管理できます。
これにより、郵送や印刷にかかる費用を減らせるだけでなく、事務作業の負担も軽減されるため、結果的に人件費削減にもつながります。
システム導入には一定のコストが発生しますが、他の経費削減効果によって十分に元が取れるケースが多くあります。
これらの方法を実践しても、さらに効率的な仕組みを取り入れてコストを下げたいと考える場合には、学会運営システムの導入が有力な選択肢となります。
学会開催システムでできること
学会開催システムは、学術大会の準備から実施、事後処理に至るまでのさまざまな業務を一元管理するツールです。
なるべくコストを抑えたい学会運営において、作業の標準化・効率化を通じてコスト削減を実現します。
学会運営管理システムで可能になる主な機能について紹介していきましょう。
演題登録・査読・採択通知の効率化
学会に欠かせない演題登録や査読業務は、多くの時間と手間がかかります。
学会運営システムでは、演題のオンライン登録フォームの提供、査読者の割り当て、自動リマインド、採否通知の一括送信などをシステム上で一元管理できます。
これにより、従来メールやExcelで行っていた煩雑な作業を大幅に削減することが可能です。
参加登録と決済管理の自動化
参加者の事前登録と会費の入金確認、領収書発行といった業務も、学会運営システムにより自動化できます。 クレジットカードや銀行振込への対応、参加証の発行、区分別料金の設定など、柔軟な料金管理機能を備えたシステムが一般的です。
これにより、受付スタッフの人手を減らしながらミスのない対応が可能になります。
当日の受付・出席管理の簡素化
学会当日の受付では、QRコードを使った自動チェックイン機能が多くのシステムに搭載されています。 参加者がスマートフォンでQRコードを提示し、スタッフは専用端末で読み取るだけで受付が完了するため、混雑やトラブルを防ぎ、スムーズな入場が可能となります。
また、出席記録の自動集計にも対応しており、参加証明書の自動発行にも活用できます。
要旨集や資料のデジタル配信
学会の要旨集やプログラム冊子などをPDFで配信することで、印刷費・郵送費の削減が実現します。 多くの学会システムでは、講演検索やセッション別の表示、個人スケジュール作成機能を備えており、参加者にとっても使いやすい構成になっています。 スマートフォンからのアクセスも可能で、ペーパーレスかつ利便性の高い情報提供が可能になります。
会員管理・メール配信・報告機能
学会によっては、会員の登録・更新・年会費徴収・継続案内なども重要な業務です。
学会運営システムでは、会員区分ごとの管理や有効期限の設定、未納者への一括通知などが可能です。
また、参加状況や演題投稿数などをCSVで出力できる機能も備えており、事後の報告書作成も効率化されます。
学会のコスト削減時に気をつけたい注意点
学会のコスト削減時には、いくつか注意すべき点もあります。
費用を下げるあまりに、必要な機能が不足したサービスを選んでしまうと学会運営に支障が出る恐れがあります。
例えば、参加者管理や決済など基本的な機能が欠けている場合、その部分を別途補う手間と費用が発生しかねません。
また、価格だけを優先して十分なサポート体制のない方法を採用すると、トラブル発生時に適切な対応ができず結果的に損失が大きくなるリスクもあります。
オンライン配信など専門性の高い部分は、サポートが万全なサービスを選ぶことで安心感を確保できます。
さらに、人件費を削減しすぎて必要なスタッフまで不足すると、当日の運営に支障を来す可能性もあります。
例えば、スタッフの数を減らしすぎると受付や会場運営に手が回らなくなり、参加者に迷惑をかけてしまうといった事態にもなりかねません。
コスト削減策を検討する際は、単に安さだけに飛びつくのではなく、必要な機能やサポートが確保された手段かどうかを十分に確認し、安易なコストカットによる弊害を避けることが大切です。
コストを抑えつつも、参加者の満足度や学会の質を損なわないよう配慮した運営を心がけることが求められます。
学会のコストを下げる方法でお悩みの方へ
学会のコストを下げる方法が分からずお悩みの方へ、解決策の一つとして学会開催システムの活用があります。
先述したように開催システムを導入することで多くの業務を効率化できますが、その具体例として「AWARD(アワード)」というサービスがあります。
AWARDは、演題登録や参加登録、決済など学会運営に必要な機能が一通り備わったクラウドサービスです。
従来に比べ格段に低価格で導入でき、専門家による充実したサポートも受けられます。
さらに、操作方法の説明や不明点のフォローなど専門スタッフによる支援が受けられるため、ITに不慣れな事務局でも安心して導入できます。
AWARDは既に様々な学会で導入されており、そうした学会では経費削減と業務効率化の両立を実現しています。
初めて学会のコスト削減に取り組む場合でも、このようなプラットフォームを活用することでスムーズかつ安心して運営コストの見直しが可能となるでしょう。
もちろん、コスト削減を進める際には次に述べる注意点にも気を配る必要があります。
まとめ
学会・オンライン学会のコストを下げる方法について、主なポイントや注意点を解説しました。
今後ますます学会運営には効率化とコスト意識が求められるようになるでしょう。
コスト負担を減らすことは、参加費の低減や浮いた資金の有効活用による学会の価値向上にもつながります。
規模の大小や分野を問わず、ここで紹介した工夫を取り入れることで学会運営の費用負担を軽減することが可能です。
ただし、コスト削減には学会運営の質の維持とのバランスも求められるため、適切なツールやサービスを選択し、安心できる体制で学会を開催することが重要です。
継続的なコスト管理と効率化の取り組みにより、充実した学会活動を無理のない予算で実現していきましょう。
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1. 学会の効率化と人手不足の解消
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