学会のハイブリッド開催をスムーズに運営する!現代の主流となる運営方式
2025.07.09
2025.07.09

近年、学術大会や研究会で注目されている「ハイブリッド開催」。
現地でのリアル開催とオンライン配信を組み合わせた運営方式は、参加者の多様なニーズに応え、学会の可能性を大きく広げています。
しかし、その一方で「準備が複雑で大変」「何から始めていいかわからない」といった声も多く聞かれます。
本記事では、学会のハイブリッド開催をスムーズに進めるための基本的な考え方から、運営上の注意点、実践的な成功事例、トラブル対策、そしておすすめの運営支援サービスまでを網羅的にご紹介します。
学会を主催・運営する立場の方に向けて、実用的で具体的なヒントをお届けします。
ハイブリッド開催とは何か?オンラインと対面の融合
ハイブリッド開催とは現地(対面)とオンラインの双方の形式を組み合わせた学会運営形態です。
現地会場での臨場感あふれる発表と、オンラインを通じた遠隔からの参加を同時に実現します。
参加者は会場に足を運ぶか、自宅や職場からリモート参加するかを選択できる柔軟性があります。
この融合により地理的な制約を超えて多様な研究者が集い、学術交流の機会を広げることが可能です。
なぜ今、学会のハイブリッド開催が求められているのか
コロナ禍でオンライン開催の必要性が高まり、緊急時にも対応できる運営形式として学会でもハイブリッド開催が注目されました。
現在でも渡航制限や参加者の安全面への配慮から、オンライン併用の学会運営への需要は続いています。
また、多忙な研究者が移動時間を節約して参加できるメリットもあり、時代に即した柔軟な開催形態として期待されています。
コロナ後も残る学会ハイブリッド開催のニーズ
新型コロナ収束後も、ハイブリッド開催のニーズは依然として高いままです。
一度オンライン参加の利便性を経験した参加者や演者は、今後も遠隔参加の選択肢を求めています。
国際会議では渡航費やビザの負担軽減のためオンライン参加を歓迎する声が多く、学会としても継続的にハイブリッド形式を採用する傾向が続いています。
感染症対策だけでなく、持続可能な学術交流の形としてもハイブリッド開催が定着しつつあります。
学会のハイブリッド開催のメリットとデメリット
ハイブリッド開催のメリット:参加者の裾野が広がる
ハイブリッド開催最大のメリットは、参加者の裾野が広がる点です。
オンライン参加の選択肢があることで、遠方や海外の研究者、業務の都合で従来参加が難しかった人々も学会に参加できるようになります。
その結果、学会の参加者数や多様性が増し、より多くの知見が共有される場となります。
国際的な交流や協働の機会も広がるでしょう。
デメリット:運営者に求められる複雑な準備と対応
一方で、ハイブリッド開催には運営面での負担や難しさも伴います。
対面とオンラインの両方を同時に進行するため、必要な準備作業が増え、運営者にはより複雑な対応が求められます。
会場設営や進行管理に加え、配信システムの設定やネット環境の確保など、専門的な技術対応も必要になります。
さらに、人員や予算の確保など従来以上にリソースを割く必要があり、小規模な学会では特に負担が増大するでしょう。
学会参加者から見たハイブリッド開催の満足度
ハイブリッド開催は参加者の満足度にも大きく影響します。
遠隔参加の選択肢があることで、参加のハードルが下がり、多くの人にとって利便性が高まります。
一方で、オンライン参加者の中には対面参加に比べ没入感が劣ると感じる人もいます。
そのため、運営側の工夫が参加者満足度を左右します。
適切なサポートや双方向の仕組みを整えることで、オンライン参加者を含め参加者全体が高い満足感を得られるでしょう。
学会ハイブリッド開催の方法と必要な準備
オンライン配信の種類と選び方(Zoom・YouTube・Vimeoなど)
ハイブリッド開催でオンライン配信を行う際には、Zoom・YouTube・Vimeoなど様々なプラットフォームから学会の目的に合ったものを選ぶ必要があります。
双方向性の高いZoomは講演者と参加者がリアルタイムでやり取りでき、小規模から中規模の学会に適しています。
YouTube Liveは公開性が高く視聴者がアクセスしやすい反面、質疑応答にはチャット機能など別途の工夫が必要です。
Vimeoは埋め込み配信やパスワード保護など高度な設定が可能で、より専門的な用途に適しています。
それぞれ特徴が異なるため、参加規模や必要な機能に応じて最適な配信方法を選択しましょう。
現地会場との連携と配信環境の整備
ハイブリッド開催では、現地会場とオンライン配信の連携が円滑に行える環境整備が欠かせません。
会場にはカメラやマイク、音響設備を配置し、講演者の映像と音声を高品質でオンラインに届ける必要があります。
同時に、オンライン参加者の発言や質疑を会場に伝える仕組みも用意し、現地と遠隔の双方向コミュニケーションを可能にします。
安定したインターネット回線の確保はもちろん、停電や回線障害に備えてバックアップのネットワークや録画機材を用意することも重要です。
配信トラブル防止のための事前チェック項目
本番での配信トラブルを防ぐには、事前の入念なチェックが不可欠です。
まず、会場のインターネット回線速度や安定性をテストし、必要に応じて有線接続やバックアップ回線を準備します。
カメラ・マイク・スピーカーなど配信機材が正常に動作するか確認し、映像や音声に遅延やノイズがないかをチェックしましょう。
演者や座長とのリハーサルを行い、画面共有の手順や質疑応答の流れをシミュレーションしておくと安心です。
さらに、予備のPCや予備マイクなど代替機材を用意し、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整えておきましょう。
学会参加登録・決済システムとの連携方法
ハイブリッド学会では、オンライン参加者の参加登録と決済の仕組みをスムーズに連携することが重要です。
事前にウェブ上で参加登録を受け付け、クレジットカード決済などで参加費を徴収できるシステムを整えておくと、現地受付や銀行振込の手間が軽減されます。
オンライン参加者には登録時にメール等で配信視聴用のURLやログイン情報を案内し、当日スムーズにアクセスできるようにしておきます。
現地参加者も同じシステムで登録管理することで、名札や参加証の発行が自動化でき、受付業務を効率化できます。
演者や座長の接続ガイドラインと事前説明
ハイブリッド開催を成功させるには、演者や座長への事前の接続ガイドラインの周知が欠かせません。
オンラインで参加する発表者や司会者には、使用する配信ツールへの接続方法や、事前にテスト接続を行う手順を説明しておきます。
例えば、Zoomの場合はミーティングIDやパスワード、入室時間、画面共有のやり方などを具体的に伝達します。
座長に対しては、オンライン参加者からの質問の拾い上げ方や、現地とリモートの発表順序の確認など、進行上の注意事項を事前に打ち合わせておくと良いでしょう。
成功事例に学ぶ、学会ハイブリッド開催の実践例
国内の中小学会におけるハイブリッド開催の事例
例えば、ある学会では現地参加約50名とZoomウェビナーでの遠隔参加を組み合わせて開催し、大学職員主体の運営でも大きなトラブルなく成功しました。
遠方からの参加者が増え、オンライン参加者からも好評を得ています。
国際学会でのハイブリッド運営成功例とその工夫
ある大規模国際会議では、数十か国からの参加者が現地とオンラインで同時参加し、時差対応として一部セッションを録画配信しました。
対面とオンライン双方の参加者から充実した交流の場だったと高く評価されました。
予算が限られた学会でも可能な低コスト運営事例
ある小規模研究会では、高価な配信業者に頼らず、大学備品のWebカメラやマイクを活用してオンライン配信を行いました。
無料のYouTube Liveで講演を配信し、質疑応答はSlackで行うことで費用を抑えつつ参加者との交流を確保しています。
このように機材の工夫と無料サービスの活用で、最低限のコストでも問題なくハイブリッド開催を実現できました。
学会DIY開催の記事へリンク
https://korekaranogakkai.com/category/gakkai-diy
学会ハイブリッド開催のよくあるトラブルと対応策
配信音声が途切れる、映像が止まるなどの技術的問題
ハイブリッド開催では、音声が途切れたり映像がフリーズしたりといった技術的トラブルが発生することがあります。
対策として、配信前に回線速度を再確認し、可能であれば有線接続を使用します。
トラブル発生時には、迅速に機材の再起動や予備機への切替を行い、同時に参加者へ状況をアナウンスして混乱を避けましょう。
また、講演を録画しておけば一時的な配信中断時にも後日視聴できるため、予備策として有効です。
現地とオンラインの質疑応答をうまく回す方法
ハイブリッド開催では、現地参加者とオンライン参加者双方の質問を公平に扱う工夫が必要です。
質疑応答の時間には、まず座長がオンライン上の質問を適宜モニターし、チャットやQ&A機能に投稿された質問をピックアップします。
同時に、現地会場からの質問者にはマイクを通して質問してもらい、その内容を座長がオンライン参加者にも聞こえるよう繰り返すとスムーズです。
現地とオンラインの質問を交互に受け付けるルールを設けておけば、どちらか一方が取り残されることを防げます。
トラブル時のサポート体制構築と外部ベンダーの活用
万が一トラブルが発生した場合に備え、サポート体制を事前に構築しておくことが重要です。
学会当日は、配信担当スタッフと現地スタッフを明確に分け、各自の役割(機材対応、参加者問い合わせ対応など)を決めておきます。
参加者からの技術的な問い合わせに迅速に答えられるよう、サポート用のチャット窓口や電話連絡先を用意すると安心です。
自前のリソースで対応が難しい場合は、外部の配信専門業者や学会運営サービスを活用することも検討してください。
学会配信業者リストへのリンク
https://korekaranogakkai.com/support_distributor_list/
参加者満足度を高めるハイブリッド学会運営の工夫
現地・オンライン参加者それぞれへのフォロー体制
ハイブリッド学会では、現地参加者とオンライン参加者の双方に配慮したフォロー体制が求められます。
現地参加者には、受付でのスムーズな案内や会場内のわかりやすい誘導表示、質問や困り事に対応するスタッフの配置など、従来通りの丁寧なサポートが重要です。
一方、オンライン参加者に対しては、事前に接続マニュアルを提供したり、当日の技術的な問い合わせに対応するヘルプデスクを設置するなど、不安なく参加できる環境を整えます。
オンデマンド配信とアーカイブ活用による満足度向上
学会終了後に講演の録画をオンデマンド配信することも、参加者満足度を高める有効な手段です。
リアルタイムで参加できなかったセッションを後日視聴できるようにすることで、時差のある国からの参加者や当日都合がつかなかった人々にも学術情報を提供できます。
また、参加者は関心のある発表を繰り返し見直したり、並行セッションで聞けなかった講演を補完できるため、学会参加の価値が向上します。
事後アンケートを活かした次回開催へのフィードバック
学会終了後には参加者への事後アンケートを実施し、その結果を次回開催の改善に役立てましょう。
アンケートでは、現地参加者・オンライン参加者それぞれに対して、配信の品質やプログラム構成、質疑応答の満足度などを尋ねます。
集まったフィードバックを分析することで、音声が聞き取りにくかった、オンライン参加者への案内が不足していた、など具体的な課題が浮き彫りになります。
それらの課題に対して対策を講じ、次回のハイブリッド開催では音響設備の強化や事前案内メールの充実など改善策を反映させます。
学会のハイブリッド開催における運営側の注意点
スタッフの役割分担と人員配置の最適化
ハイブリッド開催では、スタッフの役割分担と人員配置を最適化することが成功の鍵となります。
現地運営班とオンライン運営班に分け、それぞれのチームリーダーを決めて指揮系統をはっきりさせます。
例えば、現地班は会場設営・受付・タイムキーパー担当、オンライン班は配信操作・チャット対応・リモート講演者のケア担当など、具体的に役割を定めます。
スタッフが不足する場合は、大学院生やボランティアを募って補強したり、業務委託で専門スタッフを確保することも検討しましょう。
全員が自分の担当を認識し協力できる体制を整えることで、当日の運営が円滑に進みます。
トラブル発生時の対応マニュアル整備
いざという時に慌てないよう、トラブル発生時の対応マニュアルを事前に整備しておきましょう。
想定されるトラブルごとに対処法をまとめ、例えば「配信が中断した場合は○○を再起動」「講演者が接続できない場合は△△に連絡」といった具体的手順を書き出します。
マニュアルは全スタッフで共有し、事前ミーティングで各自の役割に応じた対応をシミュレーションしておくと安心です。
当日はマニュアルを手元に置き、万一の事態にも迅速かつ統一的な対応が取れるようにします。
計画的な危機対応準備が、参加者に安心感を与え、トラブル発生時の被害を最小限に抑えることにつながります。
著作権・プライバシーへの配慮と対応方針
ハイブリッド開催では、映像配信や記録が関わるため、著作権とプライバシーへの配慮が重要です。
発表で使用する資料や画像に関しては、オンライン配信や録画の範囲で利用許諾が得られているか事前に確認し、必要に応じて引用元表示や使用範囲の調整を行います。
また、講演や質疑を録画・アーカイブする際には、登壇者や参加者に対してその旨を周知し、場合によっては同意を得るプロセスを設けます。
参加者のプライバシー保護の観点から、顔出しを望まないオンライン参加者にはカメラオフでの参加を推奨したり、チャットでの匿名質問を受け付けるなどの配慮も考慮します。
学会のハイブリッド開催でお悩みの方へ
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このようなパッケージを導入すれば、別々のツールを組み合わせて運用する手間が省け、データも一元管理されるためミスや漏れが減ります。
AWARDは、人件費や外注費と比較して大幅なコスト削減が期待でき、運営スタッフの負担軽減と参加者の利便性向上の双方を図ることが可能です。
サービス導入前に無料のデモ体験やトライアル利用も可能です。
まとめ
学会のハイブリッド開催はメリットと課題が共存しますが、適切な準備と工夫で円滑な運営が可能です。
本記事の内容が、今後の学会運営の一助となれば幸いです。
ハイブリッド形式を活用して、より多くの研究者がつながる充実した学術交流の場を実現していきましょう。
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